「公務員だけど、自分の趣味や特技を活かして副業でユーチューバーに挑戦してみたい。」
「でも、服務規程が厳しいし、職場にバレるのが怖すぎる。収益化なんて本当にできるのだろうか?」
そんな期待と不安の板挟みになって、一歩を踏み出せずにいませんか。
結論から言うと、公務員でも正しい知識を身につけ、適切な手順を踏み、注意点をしっかり守れば、副業でユーチューバーとして収益を得ることは十分可能です。
この記事では、あなたのそんな漠然とした不安を一つひとつ解消し、安全にYouTube活動を始めるための具体的な全ステップから、参考になる成功事例・失敗事例まで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って、明日から「副業ユーチューバー」としての第一歩を踏み出せるようになっているはずです。
まずは結論から解説!公務員が副業でユーチューバーになることは可能なのか徹底解説します
多くの人が最初に抱く疑問、「そもそも公務員が副業でユーチューバーなんてやっていいの?」という核心的な問いについて、法律の観点から分かりやすく解説します。
結論としては、一定のルールを厳守すれば可能であり、その重要なルールについて詳しく見ていきましょう。
国家公務員法と地方公務員法における副業の基本ルールについて知っておきましょう
公務員の副業は、国家公務員法や地方公務員法によって一定の制限を受けています。
これらの法律は、難しく聞こえるかもしれませんが、目的はシンプルで、主に以下の3つの原則を守るために存在します。
- 信用失墜行為の禁止: 公務員全体のイメージを損なうような行動をしてはいけない。
- 守秘義務: 仕事で知った秘密を外部に漏らしてはいけない。
- 職務専念の義務: 勤務時間中は、自分の仕事に集中しなければならない。
ユーチューバー活動がこれらの義務に違反しないことが大前提となります。
特に、YouTubeの広告収益のように利益を得る「営利目的の活動」には、所属する組織のトップ(任命権者)の許可が必要になるケースがほとんどです。
勝手な自己判断で始めるのではなく、まずはルールを確認するという意識が極めて重要です。
ユーチューバー活動が公務員の副業として許可されやすいケースとはどのようなものでしょうか
では、どのようなYouTube活動なら、副業として許可を得やすいのでしょうか。
ポイントは、その活動内容が「社会的な利益につながる」あるいは「個人の趣味の範囲」と判断されるかどうかにかかっています。
例えば、以下のようなケースは許可されやすい傾向にあります。
- 地域の魅力を発信する観光PR動画
- 趣味である登山の知識や安全対策を共有する動画
- 自身の専門知識(法律や語学など)を活かした教育的なコンテンツ
- 防災や健康に関する知識を広める啓発動画
YouTubeの広告収益は営利活動と見なされてしまいますが、チャンネルのコンテンツ自体が公務員としての品位を保ち、社会的に見ても有益なものであれば、許可申請が通りやすくなるのです。
逆に、過激なドッキリや、公序良俗に反するような内容は、許可が下りないだけでなく懲戒処分の対象となる可能性が非常に高いでしょう。
副業許可を得ずにユーチューバー活動を行うことの重大なリスクを理解しましょう
「バレなければ大丈夫だろう」と安易に考え、任命権者からの許可を得ずに副業ユーチューバーを始めてしまうと、非常に深刻な事態を招く可能性があります。
もし無許可での活動が発覚し、それが服務規程違反と判断された場合、懲戒処分の対象となります。
処分の重さは、活動の悪質性や収益額、公務への影響度合いによって変わりますが、具体的には以下のような処分が下される可能性があります。
- 戒告(かいこく): 文書による厳重注意。最も軽い処分ですが、人事評価に影響します。
- 減給: 一定期間、給料が減らされます。
- 停職: 一定期間、出勤が禁じられ、その間の給与は支払われません。
- 免職: 最も重い処分で、公務員の身分を失う、つまりクビになることです。
自身のキャリアや生活を根底から揺るがすほどの重大なリスクがあることを、活動を始める前に必ず、そして強く認識しておきましょう。
なぜ公務員の副業ユーチューバーはバレるのかその具体的な原因を徹底分析します
「顔も名前も出さないから、絶対にバレるはずがない」と高を括っていると、思わぬ落とし穴から身元が特定されてしまうことがあります。
ここでは、公務員の副業ユーチューバーが職場にバレてしまう具体的な原因を徹底的に分析し、リスク管理の重要性を解説します。
声や話し方の特徴から同僚や知人に特定されてバレるケース
多くの人が見落としがちですが、最も身バレに繋がりやすい要素の一つが「声」です。
たとえ動画内で顔を一切出さず、バーチャルアバター(VTuber)を使っていたとしても、特徴的な声質、話し方の癖、特定の言い回しや口癖などから、あなたのことをよく知る同僚や友人に気づかれる可能性があります。
「この声、朝礼で話す〇〇さんの声にそっくりだ…」「この『なるほどですね』って口癖、△△さんと同じだ」といった具合に、日常的にあなたの声を聞いている人ほど、声だけで個人を特定しやすいのです。
ボイスチェンジャーを使わない限り、声は指紋と同じくらい個人を特定する情報になり得ることを忘れてはいけません。
動画内に映り込んだ風景や持ち物から居住地や個人が特定されてバレるケース
動画のクオリティを上げようと背景にこだわった結果、それが身バレの決定的な証拠になってしまうケースも後を絶ちません。
例えば、以下のようなものが何気なく映り込むだけで、大きなリスクとなります。
- 自宅の窓から見える特徴的な建物や看板
- 部屋に飾ってある限定品のポスターやユニークなインテリア
- 動画内で使用したマグカップに書かれた、地元で有名なカフェのロゴ
- 背景に映り込んだカレンダーに書かれた予定
熱心な視聴者や、あなたを特定しようと悪意を持つ人は、探偵のように些細な情報から個人情報を割り出そうとします。
特に自宅周辺で撮影したVlog(ビデオブログ)などは、土地勘のある同僚や近隣住民が見れば、一瞬で場所を特定されてしまう極めて危険な行為です。
住民税の金額変動を会社の経理担当者に気づかれて副業がバレるケース
顔出しや声出しとは全く関係なく、完全に事務的な手続きのミスから副業がバレる、最も古典的で多い王道パターンがこれです。
副業での所得(収入から経費を引いた儲け)が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。
その際、住民税の納付方法を「特別徴収(給与から天引き)」のままにしてしまうと、大変なことが起きます。
副業で得た所得分の住民税が、本業の給与に対する住民税に上乗せされた金額で、勤務先の自治体に通知されてしまうのです。
その結果、経理担当者は給与計算の際に「この職員、同期の〇〇さんと比べて住民税の額が不自然に高いな…?」と気づき、そこから副業の存在が間接的に発覚するのです。
公務員が副業ユーチューバーで絶対にバレるのを防ぐための具体的な対策五選
バレる原因が分かれば、次はその対策です。ここでは、公務員が副業でユーチューバー活動を安全に行うために、絶対に実践してほしい具体的な対策を5つに絞ってご紹介します。
これらを実行するだけで、バレるリスクを極限まで減らすことができます。
1. 顔や声を出さないバーチャルユーチューバーやキャラクターでの活動を徹底する対策
最も確実で強力な身バレ対策は、あなた自身の姿(容姿)と生声(肉声)を一切インターネット上に出さないことです。
これを実現する最適な方法が、アバターを利用した活動です。
- バーチャルユーチューバー(VTuber): Live2DやVRoid Studioといったツールを使えば、比較的簡単にオリジナルのアバターを作成し、あなたの動きに合わせて画面内で動かすことができます。
- 合成音声ソフトの活用: 「ゆっくり解説」動画のように、VOICEVOXやA.I.VOICEといった無料または有料の読み上げソフトを使い、キャラクターにセリフを喋らせる形式も非常に人気があります。
これらの手法を組み合わせることで、あなた個人とチャンネル運営者を切り離し、容姿や声から個人が特定されるリスクを限りなくゼロに近づけることが可能です。
2. 撮影場所や私物の映り込みに細心の注意を払って個人情報を守る対策
動画を撮影する際は、背景に個人が特定できる情報が一切映り込まないように、細心の注意を払いましょう。
「生活感を完全に消す」という意識が重要です。
自宅で撮影する場合は、以下のような工夫が有効です。
- 無地の壁を背景にする
- グリーンバックを設置して、編集でバーチャル背景を合成する
- 撮影専用の布やパーテーションを購入して背景を隠す
また、動画内で使用する道具や機材も、限定品や珍しいものではなく、Amazonや楽天で誰でも購入できるような一般的な製品を選ぶように心がけましょう。
屋外での撮影はリスクが高いため、原則として避けるべきですが、もし行う場合は、特徴的な建物や看板、店舗名などが絶対に映らないようにアングルを徹底的に工夫する必要があります。
3. 住民税の納付方法を普通徴収に切り替えて会社に通知が行かないようにする対策
副業バレの最大の原因である税金問題をクリアするための、最重要対策です。
副業所得が年間20万円を超えて確定申告を行う際、申告書の第二表にある「住民税に関する事項」という欄で、必ず「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れてください。
これを選択することで、副業所得にかかる分の住民税の納付書が、勤務先(市役所や省庁など)ではなく、あなたの自宅に直接郵送されるようになります。
これにより、本業の給与から天引きされる住民税の額はこれまでと変わらないため、経理担当者に副業の存在を気づかれる心配が完全になくなります。
この手続きは、あなたの社会人生命を守るための生命線と言っても過言ではありません。絶対に忘れないようにしましょう。
4. SNSでのプライベートアカウントとユーチューバー用アカウントを完全に分離する対策
YouTubeチャンネルの宣伝や視聴者との交流のために、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSアカウントを運用することは非常に有効な戦略です。
しかし、その際にプライベートで使用しているアカウントと紐づけるのは絶対に避けてください。
友人や同僚がフォローしているあなたのプライベートアカウントの「いいね」や「フォロー」欄から、副業用アカウントが芋づる式に発覚するケースは後を絶ちません。
副業用のアカウントは、普段使わない新しいメールアドレスで作成し、プロフィールにも個人を特定できるような情報は一切記載せず、完全に別人格として運用することを徹底しましょう。
5. 職場の同僚や友人にも副業ユーチューバー活動のことは一切話さないという対策
これは精神的に難しいかもしれませんが、最も確実な情報漏洩対策です。
「この人なら信頼できるから」と、つい心を許して仲の良い同僚や友人に副業のことを話してしまうと、そこから噂が広まってしまう可能性があります。
話した相手に悪気はなくても、飲み会の席での雑談などで「そういえば〇〇さんが最近ユーチューバーを始めたらしいよ」と他の人に話してしまい、あっという間に職場全体に知れ渡ることは珍しくありません。
あなたが秘密を守れても、話した相手が秘密を守れるとは限らないのです。
バレるリスクを最小限に抑えたいのであれば、どれだけ親しい相手であっても、副業については一切口外しないのが最も賢明な対策です。
ステップバイステップで解説!公務員がユーチューバーとして副業を開始する全手順
「対策は分かったけど、じゃあ具体的に何から手をつければいいの?」という初心者の方のために、公務員がユーチューバーとして副業を始めるための具体的な手順を、4つのステップに分けて分かりやすく解説します。
この通りに進めれば、誰でも迷うことなくチャンネルを開設し、最初の動画を投稿するところまでたどり着けます。
ステップ1. チャンネルのコンセプトとバレにくいジャンルを決定すること
まずは、あなたのチャンネルの根幹となる「何をテーマに発信していくか」というコンセプトを固めます。
公務員の方が安全に始めるなら、前述の通り、顔出しや声出しが不要なジャンルを選ぶのが鉄則です。
あなたの「好き」や「得意」を、バレにくいジャンルと掛け合わせて考えてみましょう。
例えば、以下のようなジャンルがおすすめです。
- ゲームが好きなら: VTuberアバターを使ったゲーム実況
- パソコンが得意なら: 特定のソフトウェアの操作方法を解説する動画
- 物作りが好きなら: 手元の作業だけを映す料理やDIY、ハンドメイド動画
- 知識を教えるのが好きなら: 図やイラストを使った歴史や科学の解説動画
「自分の趣味・特技」×「バレにくさ」の観点で、自分が楽しみながら継続でき、かつ個人情報が漏洩しにくいジャンルを選ぶことが、成功への最初の重要なステップです。
ステップ2. ユーチューブチャンネルの開設と必要な機材の準備をすること
チャンネルのコンセプトが決まったら、いよいよYouTubeの世界に自分の城を築きます。
Googleアカウントを作成し、YouTubeチャンネルを開設しましょう。
このとき、本名が表示される個人アカウントではなく、チャンネル用のニックネームで運用できる「ブランドアカウント」として作成することを強くおすすめします。
次に機材の準備ですが、最初から高価な機材を揃える必要は全くありません。まずは以下の3つがあれば十分です。
- 撮影機材: 今お持ちのスマートフォンでOKです。画質も十分綺麗です。
- 動画編集ソフト: PCならDaVinci Resolve、スマホならVLLOやCapCutなど、無料で高性能なソフトがたくさんあります。
- マイク: 声を出す場合、スマホ内蔵マイクよりはクリアに録音できる外付けマイクがおすすめです。数千円のもので十分な品質です。
まずは最小限の投資で始めて、収益化が見えてきたら機材のアップグレードを検討しましょう。
ステップ3. 動画の企画と撮影そして編集作業を行うこと
いよいよコンテンツ制作の核心部分です。
まずは、記念すべき最初の動画の企画を立てます。
「視聴者はどんな情報やエンターテイメントを求めているか?」を常に考え、視聴者が検索しそうなキーワードを意識したタイトルや構成を練ることが重要です。
企画が決まったら撮影に入りますが、このとき、前述した身バレ対策(背景の映り込みなど)を徹底してください。
撮影が終わったら編集作業です。
基本的な流れは「①不要な部分をカット」→「②テロップ(字幕)を入れる」→「③BGMや効果音を入れる」の3工程です。
編集ソフトの使い方は、YouTube上にたくさんの分かりやすい解説動画があるので、それらを参考にしながら少しずつ操作を覚えていきましょう。
ステップ4. 完成した動画の公開と視聴者からの反応を分析すること
動画が完成したら、いよいよYouTubeにアップロードして世界に公開します。
公開する際には、視聴者の目に留まりやすい魅力的なサムネイル画像を作成し、動画の内容がひと目で伝わるタイトルと詳しい説明文、関連するタグ(検索キーワード)を設定することが非常に重要です。
動画を公開した後は、それで終わりではありません。
YouTubeが提供する無料の分析ツール「YouTube Studio」を使って、視聴回数や視聴者が動画をどれくらいの時間見てくれたか(視聴維持率)、どんなコメントが付いたかなどをチェックします。
この視聴者からの反応という「答え」を見て、「次の動画ではどこを改善すれば、もっと見てもらえるだろうか?」と考え、実行していくPDCAサイクルを回すことが、チャンネルを成長させる最大の鍵となります。
公務員ユーチューバーが収益化を達成するための具体的なロードマップを解説します
動画投稿を始めたら、次の大きな目標は「収益化」です。
YouTubeで広告収入などを得るためには、「YouTubeパートナープログラム(YPP)」に参加する必要があり、そのためには一定の条件をクリアしなければなりません。
ここでは、収益化という山を登り切るための具体的な道のりと、そのために必要な戦略を解説します。
ユーチューブパートナープログラムの参加条件であるチャンネル登録者1000人を目指す戦略
YouTubeで収益を得るための第一の関門は「チャンネル登録者数1000人」です。
これは、あなたのチャンネルに1000人のファンがいる状態を意味します。
これを達成するためには、ただ動画を投稿するだけでなく、質の高い動画を継続的に投稿し、視聴者に「この人の次の動画も見たいから、チャンネル登録しておこう」と思わせる必要があります。
具体的な戦略としては、
- 特定のジャンルに特化して「このテーマならこのチャンネル」という専門性を高める
- 視聴者からのコメントに丁寧に返信し、ファンとの絆を深める
- X(旧Twitter)などのSNSで動画の更新を告知し、YouTube以外の場所から新規視聴者を呼び込む
といった地道な活動が有効です。
多くの成功者が「まずは100本の動画投稿を目指した」と語るように、コツコツと良質なコンテンツを積み重ねていく継続力が何よりも重要です。
もう一つの条件である総再生時間4000時間をクリアするための具体的な施策
もう一つの、そして多くの人が苦戦する厳しい条件が「過去12ヶ月間の総再生時間4000時間」です。
これは、あなたのチャンネルの全動画が、直近1年間で合計4000時間(=240,000分)以上再生されている必要がある、ということです。
ただ動画がクリックされるだけでなく、いかに長く視聴してもらうかという「視聴維持率」が鍵になります。
具体的な対策としては、
- 動画の冒頭15秒で「この動画を見ると、〇〇というメリットがあります」と、視聴者が得られる価値を明確に伝える
- 視聴者が途中で飽きないように、テンポの良いカット編集や、効果音、図解などを効果的に使う
- 再生時間を稼ぎやすい、1本あたり10分以上の少し長めの動画を作成する
などが挙げられます。
また、ライブ配信を行うのも総再生時間を増やすのに非常に効果的です。
リアルタイムで視聴者と交流しながら1〜2時間の配信を行えば、再生時間を一気に稼ぐことができます。
ユーチューブパートナープログラムへの申請とグーグルアドセンスの審査プロセス
「登録者1000人」と「総再生時間4000時間」。
この2つの高い壁を乗り越えると、ついにYouTubeパートナープログラムへの参加申請ができるようになります。
申請後、YouTubeによるあなたのチャンネルの審査が始まります。
この審査では、YouTubeのコミュニティガイドラインや各種ポリシーに違反していないか、他人のコンテンツを盗用していないか(オリジナリティ)などが厳しくチェックされます。
同時に、広告収益を受け取るための銀行口座のようなものである「Google AdSense」のアカウントを作成し、YouTubeチャンネルと連携させる必要があります。
審査には数日から数週間かかることもありますが、無事に承認のメールが届けば、あなたの動画に広告が表示され、1再生あたり約0.1円〜0.5円程度の収益が発生するようになります。
この瞬間は、これまでの苦労が報われる、感動的な瞬間となるでしょう。
収益化に成功した後の注意点!公務員が副業で得た収入の確定申告について
晴れて収益化を達成し、初めての収益が振り込まれた…!しかし、そこで安心してはいけません。
特に公務員という立場では、副業で収入を得た後の「税金の手続き」が非常に重要になります。
ここで手続きを間違えると、努力が水の泡になるだけでなく、職場に副業がバレる最大の原因になりかねません。
副業所得が年間20万円を超えた場合に必要となる確定申告の基本
まず、大原則として覚えておくべきルールがあります。
給与所得以外の所得、つまりユーチューバーとしての副業所得が、1年間(1月1日〜12月31日)で20万円を超えた場合、原則として「確定申告」を行う義務があります。
ここで言う「所得」とは、売上(広告収益など)そのものではなく、売上から必要経費(機材代、編集ソフト代など)を差し引いた後の金額のことです。
例えば、年間の広告収益が30万円で、経費が5万円だった場合、所得は25万円となり、確定申告が必要です。
この申告は、翌年の2月16日から3月15日までの間に、管轄の税務署に対して行うのがルールです。
経費として計上できるものとできないものの具体的な線引きを理解する
確定申告では、副業活動にかかった費用を「必要経費」として計上することで、所得金額を圧縮し、結果的に支払う税金を抑えることができます。
ただし、何でも経費にできるわけではありません。
経費として認められるのは、あくまで動画制作に「直接」関連する費用です。
【経費にできるものの例】
- 購入したカメラ、マイク、パソコン
- 動画編集ソフトのライセンス料
- 有料のBGMやイラスト素材サイトの利用料
- 動画のネタのために購入した書籍や資料代
- YouTubeの勉強のために参加したセミナー代
【経費にできない、または注意が必要なものの例】
- プライベートな食事代や交際費
- 事業と関係のない資格取得費用
- プライベートと兼用しているスマホの通信費や家賃(これらは「家事按分」という考え方に基づき、事業で利用した割合分のみを経費として計上する必要があります)
領収書やレシートは必ず保管しておく癖をつけましょう。
住民税の納付方法で普通徴収を選択することがバレないための最重要ポイント
確定申告書を作成する際、何度も繰り返しますが、あなたのキャリアを守るために最も重要なのがこのポイントです。
確定申告書の第二表にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の選択欄で、必ず「自分で納付」にチェックを入れてください。
これが、納付書で自分で税金を納める「普通徴収」という方法です。
もし誤って「給与から差引き(特別徴収)」を選んでしまうと、副業分の住民税が本業の給与から天引きされることになり、会社の経理担当者に住民税額の不自然な増加を気づかれ、副業がバレる最大の原因となります。
この一点だけは、絶対に、絶対に間違えないようにしましょう。
必見!公務員におすすめのバレにくいユーチューバーのジャンルと具体例
「バレないための対策は分かったけど、具体的にどんな動画を作ればいいんだろう?」と悩む方のために、公務員という立場でも始めやすく、かつ身バレのリスクが極めて低い、おすすめのチャンネルジャンルを具体例とともに紹介します。
あなたの得意なことや好きなことと照らし合わせながら、チャンネルの方向性を探してみてください。
顔や声を出さないゲーム実況チャンネルで趣味を収益化する事例
ゲーム実況は、匿名性を保ったまま活動しやすい代表的なジャンルです。
ゲーム画面がメインになるため、自分の姿を映す必要がありません。
VTuberのアバターを使ったり、字幕や合成音声で解説を入れたりすることで、完全に個人情報を隠したまま活動できます。
特に、以下のような切り口はファンがつきやすく、おすすめです。
- 特定の人気ゲームタイトルに特化した攻略情報チャンネル
- 誰もやらないようなユニークな縛りプレイ(例:初期装備だけでラスボスを倒す)に挑戦する企画
- 発売されたばかりの新作ゲームをいち早くプレイするレビュー動画
自身の好きなゲームであれば、楽しみながら台本作りやプレイができるため、副業として非常に継続しやすいのが最大のメリットです。
専門知識を活かした図解やイラストでの解説系チャンネルの事例
もしあなたが、公務員の仕事で培った知識や、個人的に深く学んだ専門分野(例えば法律、経済、歴史、科学、語学など)を持っているのであれば、それを活かした解説系チャンネルも非常に有望です。
PowerPointや無料のデザインツールCanvaなどを使って作成したスライドやイラストを画面に映し、合成音声で分かりやすく解説するスタイルであれば、身バレのリスクは皆無です。
教育的なコンテンツは視聴者から「勉強になる」と信頼されやすく、チャンネル登録にも繋がりやすい特徴があります。
また、一度作成した動画が時間が経っても価値が下がりにくい「エバーグリーンコンテンツ」となり、長期間にわたって再生され続ける資産になりやすいという大きなメリットもあります。
「難しいことを、誰にでも分かるように教える」スキルが求められます。
手元だけを映す料理やハンドメイド、クラフトなどの作業系チャンネルの事例
料理、お菓子作り、プラモデル制作、DIY、書道、イラスト制作、文房具の紹介など、手元での作業工程をメインコンテンツにするチャンネルも非常に人気が高いジャンルです。
このジャンルは、顔や声を出さなくても、美しい手さばきや、作品が完成していくワクワクするプロセスを見せるだけで、十分に視聴者を引き込むことができます。
さらに、心地よい作業音(ASMR)を組み合わせることで、ヒーリング効果という付加価値を高めることも可能です。
このジャンルの最大の魅力は、自分の趣味や特技をそのままコンテンツにできるため、楽しみながら続けやすい点にあります。
特別なトークスキルも必要なく、黙々と作業する様子を撮影・編集するだけで成立するため、初心者でも始めやすいでしょう。
公務員がユーチューバーとして副業する際のリアルな成功事例と失敗事例
理論だけでなく、実際の事例を知ることで、より具体的なイメージが湧き、自分自身の行動の指針とすることができます。
ここでは、公務員が副業ユーチューバーとして成功した架空の事例と、残念ながら失敗してしまった事例を挙げ、その明暗を分けたポイントがどこにあったのかを分析します。
綿密な身バレ対策と継続的な投稿で収益化に成功したAさんの事例
【成功事例】地方公務員Aさん(ボードゲーム解説チャンネル)
地方公務員のAさんは、趣味であるマイナーな海外製ボードゲームのルール解説やプレイの魅力について発信するチャンネルを開始しました。
Aさんは身バレ対策を徹底し、①VTuberアバターとボイスチェンジャーを導入、②動画内では絶対に個人情報を話さず、背景も無地の壁に統一、③確定申告では住民税の普通徴収を死守、という3つの鉄則を守りました。
週に1本のペースで、ニッチながらも質の高い解説動画を投稿し続けた結果、2年という時間をかけてチャンネル登録者1000人、総再生時間4000時間を達成。
今では月数万円の広告収益を得ることに成功し、趣味と実益を兼ねた充実した副業ライフを送っています。
成功の要因は、徹底したリスク管理と、焦らず地道に続けた継続力にありました。
安易な顔出しと税金対策の甘さで職場にバレてしまったBさんの事例
国家公務員のBさんは、自身の得意な筋力トレーニングの方法を紹介するチャンネルを始めました。
トレーニングウェア姿で、当初はマスクをしていましたが、チャンネルの人気が出始めたことで油断し、「もっと人気者になりたい」という自己顕示欲から、マスクを外して顔出しで動画を投稿したところ、あっという間に職場の同僚に発見されてしまいました。
さらに悪いことに、副業所得が年間50万円を超えていたにもかかわらず「面倒だから」と確定申告を怠っていました。
その結果、税務署からの問い合わせが職場に入ったことで副業の事実が公になり、服務規程違反で重い懲戒処分を受けることになってしまいました。
失敗の要因は、人気が出たことによる油断と安易な自己顕示欲、そして税金に関する知識不足という、典型的な失敗パターンでした。
収益化を焦るあまりに動画の質が低下して挫折してしまったCさんの事例
市役所職員のCさんは、節約術やポイ活を紹介するチャンネルを開設しました。
「早く収益化したい!」と焦るあまり、視聴者ニーズのリサーチもそこそこに、どこかで見たような内容の質の低い動画を量産してしまいました。
当然、再生数は伸びず、チャンネル登録者も一向に増えない日々に、「なんで誰も見てくれないんだ」と次第にモチベーションが低下。
結局、半年で動画投稿を完全にやめてしまい、収益化には遠く及ばず挫折してしまいました。
失敗の要因は、短期的な結果を求めすぎたこと、そして視聴者の立場に立たず、自己満足のコンテンツを作り続けてしまったことにあります。
副業ユーチューバーを始める前に知っておきたい公務員の法律と服務規程
安全に活動を続け、万が一の事態を避けるためには、自分自身を守るための法律やルールの知識が不可欠です。
ここでは、公務員の副業に密接に関連する主要な法律や服務規程について、そのポイントを改めて分かりやすくおさらいします。
職務専念の義務と副業ユーチューバー活動の適切なバランスの取り方
公務員には「職務専念の義務」があり、勤務時間中は、国民・市民のために与えられた職務に集中することが求められます。
したがって、副業であるユーチューバー活動は、必ず勤務時間外や休日に行わなければなりません。
動画の企画、撮影、編集、コメント返信といった全ての作業を、完全にプライベートな時間内で行うことを徹底しましょう。
もし、副業にのめり込むあまり、本業で遅刻やミスが増えたり、睡眠不足による疲労で業務に支障をきたしたりすれば、この義務に違反すると判断される可能性があります。
「本業あっての副業」という大前提を絶対に忘れてはいけません。
信用失墜行為の禁止に抵触しないためのチャンネル運営の心がけ
「信用失墜行為の禁止」とは、公務員個人だけでなく、公務員全体の信用やイメージを傷つけるような行為をしてはならないという、非常に重要な規定です。
ユーチューバー活動においては、以下のようなコンテンツは、この規定に抵触する可能性が極めて高いです。
- 過激な言動や他人を誹謗中傷する内容
- 公序良俗に反する(卑猥、暴力的など)コンテンツ
- 政治的・宗教的に著しく偏った主張
- ヘイトスピーチや差別的な発言
たとえ匿名で活動していても、あなたの発信する内容には常に責任が伴います。
「公務員としての品位を汚さない、クリーンで誠実なチャンネル運営」を常に心がけることが、あなた自身を守ることに繋がります。
守秘義務の遵守!職務上知り得た情報を絶対に動画で話さないこと
公務員は、法律によって厳しい「守秘義務」を負っています。
これは、職務上知り得た秘密(内部情報や市民の個人情報など)を、外部に漏らしてはならないという義務で、これは退職後も同様に続きます。
ユーチューバーとして話のネタにするために、職場で知った内部情報や、特定の個人が推測できるような情報を動画で話すことは、絶対に許されません。
たとえ匿名チャンネルであっても、情報漏洩は重大な法律違反であり、懲戒免職はもちろん、刑事罰の対象となる可能性すらあります。
公私の区別を厳格につけ、職務に関する内容は一切コンテンツに含めないことを固く誓いましょう。
公務員が副業ユーチューバーを続ける上での精神的な心構えとモチベーション維持法
ユーチューバーとして成功するためには、動画編集の技術や企画力だけでなく、見えない部分である強い精神力も必要不可欠です。
特に公務員という立場では、特有のプレッシャーもかかります。
ここでは、長く、そして何より楽しく活動を続けるための心構えやモチベーションの保ち方を紹介します。
すぐに結果が出なくても焦らない!長期的な視点でチャンネルを育てる心構え
YouTubeは、始めてすぐに結果が出るほど甘い世界ではありません。
最初の数ヶ月、あるいは1年以上もの間、再生数も登録者数もほとんど増えないという「沈黙の期間」は、ほぼ全てのクリエイターが経験します。
ここで焦ってしまったり、きらびやかな成功者と自分を比較して落ち込んだりすると、挫折の大きな原因になります。
大切なのは、日々の数字に一喜一憂せず、「自分のチャンネルは、時間をかけて育てる農作物のようなものだ」という長期的な視点を持つことです。
自分の作った動画が、未来の誰かの役に立つと信じ、コンテンツという名の種をコツコツと蒔き続けていく「農耕型」の思考を持つことが、成功への道を切り開きます。
人と比べず、過去の自分の動画と比べるようにしましょう。
視聴者からの批判的なコメントにどう向き合い対処していくべきか
チャンネルが少しずつ成長して視聴者が増えてくると、残念ながら、あなたの活動を快く思わない人からの批判的なコメントや、心ない誹謗中傷を受けることもあります。
特に公務員という立場であれば、「税金で食ってるくせに」といった理不尽な意見が寄せられるかもしれません。
全てのコメントを真に受けて心を痛める必要は全くありません。
建設的な批判は、チャンネルを良くするための貴重なアドバイスとして真摯に受け止め、改善に活かすべきです。
しかし、単なる悪意のある暴言や人格攻撃は、ためらわずに非表示やブロック機能を活用し、自分の心からシャットアウトしましょう。
自分のメンタルヘルスを守ることも、クリエイターとして活動を続ける上で非常に重要なスキルの一つです。
本業との両立で疲弊しないための無理のない更新頻度とスケジュールの立て方
副業で最も大切なのは、本業に支障をきたさないこと、そして自分自身が疲弊してしまわないことです。
「人気ユーチューバーは毎日投稿しているから自分も!」と高い目標を掲げてしまうと、睡眠時間を削ったり、家族や友人との時間を犠牲にしたりして、心身ともに燃え尽きてしまいます。
最初は「2週間に1本」や「月に1本」でも全く問題ありません。
自分が無理なく、そして楽しみながら続けられるペースを見つけることが何よりも重要です。
「週末の土曜日に撮影し、日曜日に編集する」など、自分なりのスケジュールを確立し、生活の中にうまく組み込むこと。
あくまで「趣味の延長」として楽しみながら取り組む姿勢が、長続きの最大の秘訣です。
まとめ
最後に、この記事で解説してきた公務員が副業ユーチューバーとして成功するための重要なポイントをまとめます。
正しい知識と慎重な行動、そして楽しむ心を忘れなければ、あなたの挑戦はきっと実を結びます。
公務員の副業ユーチューバーは正しい手順と対策を行えば実現可能であること
この記事で解説してきた通り、公務員が副業でユーチューバーになることは、決して不可能な夢物語ではありません。
法律や服務規程を正しく理解し、顔出しをしない、住民税を普通徴収にするなどの身バレ対策を徹底し、そして何よりも本業に支障をきたさない範囲で活動するというルールを守れば、安全に収益化を目指すことは十分に可能です。
重要なのは、安易な気持ちで始めず、しっかりと知識で武装してから第一歩を踏み出すことです。
バレる最大のリスクは顔や声だけでなく税金の手続きにあるという事実
多くの人が「顔を出さなければバレない」と考えがちですが、実際には住民税の申告ミスという、全く別の事務的なルートから副業が発覚するケースが後を絶ちません。
年間20万円以上の副業所得がある場合は必ず確定申告を行い、その際に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」にすることを、絶対に忘れないでください。
この税金に関する知識こそが、あなたを職場バレから守る最大の盾となります。
成功の鍵は長期的な視点と継続する力、そして何よりも楽しむ心にあること
ユーチューバーとしての成功は、一朝一夕には訪れません。
大切なのは、短期的な再生数や登録者数に惑わされず、長期的な視点でコツコツと良質なコンテンツを作り続ける「継続力」です。
そして、その継続を支えるのは、あなた自身がその活動を「楽しんでいる」という気持ちに他なりません。
自分の好きなことや得意なことを発信し、視聴者とコミュニケーションを取りながら、趣味の延長として取り組む。
そのポジティブな姿勢こそが、幾多の困難を乗り越え、あなたを成功へと導く最大の原動力となるでしょう。
この記事が、あなたの挑戦の第一歩を力強く後押しできれば幸いです。
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