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これってネズミ講?インスタで友達からマルチ商法の勧誘をされた時の手口と冷静な見分け方・対処法

インスタグラムを眺めていると、昔の同級生や最近少し疎遠だった友達が、急に海外旅行や高級レストラン、ブランド品などの華やかな投稿を連発している…そんな場面に遭遇したことはありませんか。

そして、その友達から「久しぶり!すごい人に会ってみない?」「あなたの人生を変えるチャンスがあるよ」といった熱意のこもったダイレクトメッセージが届いたら、それは少し注意が必要なサインかもしれません。

もしかしたら、ネズミ講やマルチ商法(連鎖販売取引)といった、あなたの大切な時間やお金、そして何より友人関係を壊しかねないビジネスへの勧誘の始まりである可能性があります。

この記事では、大切な友達との関係を壊すことなく、そうした怪しい勧誘から自分自身をしっかりと守るための具体的な手口、危険な兆候の見分け方、そして冷静な対処法について、この問題に初めて直面した方にも分かりやすく、順を追って徹底的に解説していきます。

目次

まず結論から!インスタでの怪しい勧誘がネズミ講やマルチ商法かを見分けるための最終チェックリスト

時間がない方、すぐにでも結論が知りたいというあなたのために、まず最初に、インスタグラムなどで友達から受けた勧誘がネズミ講やマルチ商法である可能性が高いかどうかを判断するための、最終チェックリストをご紹介します。

以下の項目に複数当てはまる場合、それは非常に危険なサインです。慎重な対応を心がけてください。

危険な勧誘の最終チェックリスト

  • 具体的なビジネスモデルの説明がなく「誰でも簡単に儲かる」と強調される
  • ビジネス内容を説明せず「すごい人」など第三者に会わせようとする
  • 契約のために数十万円単位の高額な初期費用や商品購入を求められる
  • 主な収入源が、商品の販売利益ではなく「友達の紹介料」であると説明される

簡単にお金が儲かるという話ばかりを強調してくるかどうかの見分け方

誰でも簡単に月収100万円」「スマホ一つで権利収入を得て自由な生活」といった、あまりにも魅力的すぎる甘い言葉は、非常に危険なサインだと認識してください。

汗水流して働き、スキルや経験を積み重ねていく真っ当なビジネスでは、特別な努力やスキル、時間といった対価を支払うことなしに、いきなり大きな利益を得ることは通常あり得ません。

具体的なビジネスモデルや、提供している商品・サービスの価値についての論理的な説明がほとんどなく、ただひたすら「儲かる」という一点張りの勧誘は、あなたの射幸心を煽ってカモにしようとしているマルチ商法の手口である可能性が極めて高いです。

勧誘してくる友達が具体的なビジネス内容を話さず人に会わせようとする手口

とにかくすごい人がいるから会って話を聞いてみて!」とか「私から中途半端に説明するより、成功しているリーダーに直接聞くのが一番だから」といった形で、かたくなに第三者に会わせようとするのは、典型的なマルチ商法の勧誘手口です。

これは「ブラインド勧誘」と呼ばれることもあり、ビジネスの目的や内容を最初に明示しない勧誘方法の一つです。

その目的は、経験豊富で話術に長けた上位会員が、クローズドな空間であなたを心理的に高揚させ、冷静な判断力を失わせた上で契約させるための周到な作戦です。

本当に自信のあるビジネスであれば、大切な友達であるあなたに対して、友達自身の言葉で堂々と説明できるはずです。

高額な初期費用や商品購入が必要だと言われる勧誘への対処法

ビジネスを始めるにあたって、数万円から、時には数十万円にも及ぶ「登録料」「セミナー参加費」「スターターキット」といった様々な名目での高額な初期費用を求められる場合、それはマルチ商法やネズミ講の可能性が極めて高いと言えます。

特に、その費用を「消費者金融などで借金をしてでも支払う価値がある」などと無責任に煽ってくるような勧誘は、極めて悪質です。

まともなビジネスにおいて、事業内容に見合わない不当に高額な初期投資を、個人の善意に付け込んで強要することは絶対にありません。

友達を勧誘すれば紹介料が入るといった仕組みを説明されるかどうかの見分け方

あなたの将来的な収入源が、商品を地道に売ることによる利益よりも、新しい会員(あなたの友達)を勧誘して組織に加入させることで得られる紹介料や、組織拡大に伴う権利収入がメインであると説明されたら、それはネズミ講または典型的なマルチ商法です。

ビジネスの構造が、価値ある商品の流通ではなく、人間関係の連鎖そのものが目的化している場合、新規加入者が無限に増え続けない限り、いずれ必ず破綻する運命にあります。

そもそもネズミ講とマルチ商法は何が違う?友達を失わないために知っておくべき基本的な知識

「ネズミ講」と「マルチ商法」は、世間では同じような悪いものとして混同されがちですが、法律上の定義やビジネスの仕組みには明確な違いがあります。

この違いを正しく理解しておくことで、友達からの勧誘に対して「もしかして犯罪行為を勧められているのか?」あるいは「合法だが問題の多いビジネスなのか?」を冷静に、そして的確に状況を判断できるようになります。

商品やサービスの介在がなく金品の受け渡しが目的となる違法なネズミ講

ネズミ講(正式名称:無限連鎖講)は、「無限連鎖講の防止に関する法律」という法律で明確に禁止されている完全な犯罪行為です。

その最大の特徴は、商品やサービスの流通が全くないか、あったとしても市場価値が著しく低い、形式だけのものであることです。

実態は、組織への参加者が後から参加する人から集めた会費や金品を、ピラミッドの上位にいる会員に配当するだけの単なる金銭配当組織です。

構造上、新規加入者がいなくなればシステムは即座に破綻するため、ピラミッドの末端にいる参加者は支払ったお金を回収できず、必ず損をする仕組みになっています。

商品販売を伴うがビジネスモデルに問題が多いマルチ商法(連鎖販売取引)

マルチ商法(正式名称:連鎖販売取引)は、特定商取引法(特商法)という法律で厳しく規制されているものの、そのビジネスモデル自体が直ちに違法というわけではありません。

化粧品や健康食品、浄水器といった具体的な商品を介在させ、会員がその商品を消費・販売したり、新たな会員を勧誘して組織を拡大したりすることで利益を得る仕組みです。

しかし、現実には強引な勧誘や「絶対に儲かる」といった虚偽の説明(不実告知・断定的判断の提供)、借金をさせてまで商品を買わせるなどの悪質な行為が横行しており、そうした行為は法律で厳しく禁じられています

インスタでの勧誘においてネズミ講とマルチ商法の見分け方が難しい理由

インスタグラム上では、投稿されるコンテンツがキラキラしたライフスタイルや魅力的な商品の紹介が中心になるため、その背景にあるビジネスモデルが、犯罪であるネズミ講に近い悪質なものなのか、あるいは合法の範囲内で行われているマルチ商法なのかを見分けることは非常に困難です。

勧誘する側も、法律に抵触しないように「儲かる」とは断言せず「目指せる」と言い換えたり、ビジネスのデメリットやリスクといったネガティブな情報を意図的に隠したりするため、表面的な情報だけで安全かどうかを判断するのは極めて危険です。

インスタグラムで急増中!友達をターゲットにした巧妙なマルチ商法の勧誘手口の具体例

インスタグラムというプラットフォームは、その視覚的な魅力とDMによるクローズドなコミュニケーションが可能な特性から、マルチ商法の勧誘に非常に悪用されやすい環境となっています。

ここでは、実際にインスタグラムでよく見られる、あなたの大切な友達をターゲットにした巧妙な勧誘手口の具体例を詳しくご紹介します。

  • 手口1:何年も連絡を取っていなかった旧友からの突然のDM
  • 手口2:自己啓発セミナーのようなポジティブな言葉でのアプローチ
  • 手口3:タワマンや海外旅行など、演出された華やかな生活のアピール

久しぶりに連絡してきた友達からの「最近どう?」というDMからの勧誘手口

学生時代以来、何年も連絡を取っていなかった古い友人や同級生から、突然インスタグラムのDMで「久しぶり!元気?最近何してるの?」といったフレンドリーな連絡が来るケースは、非常に典型的な勧誘の入り口です。

最初のうちは、当たり障りのない近況報告や昔の思い出話で盛り上がり、あなたがすっかり心を許して警戒心が解けた絶妙なタイミングで、「実は今、すごく面白いビジネスをやっていて…」「すごい人に出会って人生が変わったんだ」と、ゆっくりと本題の勧誘に入ってきます。

これは、昔の友情を隠れ蓑にして、あなたの懐に忍び込むための計算された手口です。

「夢を叶えよう」「自由な時間とお金」など自己啓発系の言葉を使った勧誘

勧誘の際、「今の仕事に満足してる?」「将来の夢って諦めてない?」といった質問であなたの現状への不満や将来への漠然とした不安を巧みに煽り、「このビジネスなら君の夢が叶うよ!」「経済的自由と時間的自由を一緒に手に入れよう!」といった自己啓発的な言葉で巧みに誘い込んできます。

これは、あなたの冷静な損得勘定や論理的な判断力を麻痺させ、「このチャンスを逃したくない」という感情に直接訴えかけて契約させるための心理的なテクニックです。

タワーマンションでのパーティーや海外旅行などキラキラした投稿を見せる手口

インスタグラムのフィード(投稿一覧)に、タワーマンションのラウンジを借りて行われるパーティー、高級ブランド品、頻繁な海外旅行といった、非日常的で華やかな写真ばかりを投稿し、「#この環境に感謝」「#ノマドワーカー」といったハッシュタグと共に「このビジネスのおかげで人生が変わった」とアピールするのも常套手段です。

これらの多くは、レンタルスペースやレンタカーを利用して演出されたり、グループのメンバーで費用を出し合って撮影されたりしたものである可能性も少なくありません。

その目的は、あなたに「自分もあんな風になりたい」という強い憧れを抱かせ、勧誘しやすくするための見せかけの成功例なのです。

あなたの友達は大丈夫?インスタ投稿からわかるマルチ商法にハマっている人の危険な兆候と見分け方

たとえ友達から直接的な勧誘を受けていなくても、その人のインスタグラムの投稿内容が以前と比べて大きく変化した場合、マルチ商法に深く関わっている危険な兆候を察知することができます。

大切な友達の異変にいち早く気づき、あなた自身が巻き込まれないようにするための、投稿内容の見分け方のポイントを解説します。

急に自己啓発系の名言やポジティブな長文ポエムを投稿し始めるという変化

以前はランチの写真やペットの動画など、ごく普通の日常を投稿していた友達が、ある時期から急に「感謝」「仲間」「成長」「権利収入」「成功者のマインド」といった特定のキーワードをやたらと使い始めたり、自己啓発本から引用したような名言や、異様にポジティブな長文ポエムを頻繁に投稿し始めたら注意が必要です。

これは、組織のリーダーから教えられたマインドセットを自分自身に言い聞かせると同時に、新たな勧誘対象(フォロワー)に「意識の高い自分」をアピールするための行動かもしれません。

投稿に出てくる仲間がいつも同じメンバーで不自然なほど仲の良さをアピール

バーベキューや誕生日会、セミナー後の懇親会などの投稿写真に登場する仲間が、いつも同じ特定のメンバーである場合も一つの兆候です。

彼らは「最高の仲間たち」「#出会いに感謝」といった言葉でお互いを称え合い、誕生日会やイベントなどで、見ている側が少し引いてしまうほど過剰に仲の良さを演出しがちです。

これは、組織の内部的な結束力を高める目的と同時に、「こんなに素敵で意識の高いコミュニティの一員になれるんだ」と外部に示すことで、勧誘を有利に進めるためのパフォーマンスである可能性があります。

ビジネスの話がタグ付けされた投稿やストーリーズで頻繁にシェアされる

友達の投稿に、特定のビジネスリーダーや関連する商品アカウントが頻繁にタグ付けされていたり、ビジネスセミナーやオンラインでのミーティングの様子を、その熱量を伝えるかのようにストーリーズで熱心にシェアしたりするのも危険なサインです。

特に、リーダー格の人物の投稿をそのままリポスト(再投稿)したり、その人物への憧れや尊敬の念を長文で綴ったりする行動は顕著な特徴です。

これは、組織への忠誠心を示す行動であり、自身の活動をアピールすることで新たな勧誘に繋げようとするマルチ商法特有の行動パターンと言えるでしょう。

友達からのマルチ商法やネズミ講の勧誘を上手に断るための具体的なステップと会話例

いざ友達から直接勧誘されてしまった時、最も重要になるのは、相手を傷つけたくないからと曖昧な態度を取るのではなく、しかし人間関係を決定的に壊さないように、はっきりと、かつ冷静に断ることです。

ここでは、そのための具体的なステップと、そのまま使える会話例を順を追ってご紹介します。

  1. Step1:まず感謝を伝え、相手の話を最後まで冷静に聞く。
  2. Step2:「興味がない」と、理由をつけずに自分の意思を明確に伝える。
  3. Step3:それでもしつこい場合は、自分ではどうにもならない「外的要因」を盾にする。

まずは感謝を伝えて相手の話を最後まで冷静に聞くという最初のステップ

たとえその内容が怪しいものであっても、友達が勇気を出してあなたに大切な話をしてくれている、という状況そのものに敬意を払い、まずは「誘ってくれてありがとう」「話してくれて嬉しいよ」と感謝の意を示しましょう。

そして、途中で話を遮ったり、「それってネズミ講でしょ?」などと感情的に否定したりせず、まずは相手の話を最後まで冷静に聞く姿勢が大切です。

このワンクッションを置くことで、相手も聞く耳を持ちやすくなり、その後のあなたの「断りの言葉」が、単なる拒絶ではなく、考えた上での結論として伝わりやすくなります

「興味がない」と自分の意思を明確かつ簡潔に伝えることが最も重要

相手の話を一通り聞き終えたら、「話はよくわかったよ。すごく熱心にやっているんだね。でも、残念ながら私はそのビジネスに興味がないんだ。ごめんね」と、はっきりと、しかし穏やかな口調で自分の意思を伝えましょう。

ここで「お金がないから」「今は時間がないから」といった言い訳のような理由をつけて断ると、「お金は作れる方法があるよ」「時間もこのビジネスで自由になるよ」と、相手に反論の隙を与えてしまいます。

理由をこねくり回さず、シンプルに「興味がない」と伝えるのが最も効果的で誠実な断り方です。

それでもしつこく勧誘された場合に備えておくべき断りの最終手段

もし「興味がない」と伝えても、「一度話を聞くだけでいいから!」などと勧誘がしつこく続く場合は、「本当に申し訳ないんだけど、実は家族(やパートナー)に猛反対されていて…」あるいは「会社の就業規則で副業が固く禁じられていて、バレたらクビになってしまうんだ」といった、自分の一存ではどうにもならない外部の要因を理由に断るのが有効です。

これは相手にとっても「それなら仕方ない」と引き下がりやすく、反論しにくい、人間関係へのダメージを最小限に抑えつつ、話を終わらせることができる強力な断りの文句となります。

なぜ友達はマルチ商法の勧誘をしてくるのか?その心理と背景を理解して冷静に対応しよう

「あんなに仲の良かった友達が、なぜ私にこんな話をしてくるんだろう…」と、裏切られたような気持ちになるかもしれません。

しかし、大切な友達があなたにマルチ商法の勧誘をしてくる行動の裏には、複雑な心理や背景が存在します。

その構造を少しでも理解することで、怒りや失望といった感情に流されることなく、より冷静で建設的な対応ができるようになります。

あなたを助けたいという善意や使命感から勧誘しているという心理状態

驚くかもしれませんが、勧誘してくる友達の多くは「あなたを騙してやろう」という純粋な悪意からではなく、「こんなに素晴らしいビジネスがあるから、親しい君にも教えてあげたい」「このチャンスを掴んで、一緒に成功して幸せになりたい」という、歪んではいるものの、本人にとっては純粋な善意や使命感から行動しているケースが非常に多いのです。

彼ら自身が、そのビジネスが本当に素晴らしいものであり、人を幸せにするものだと心から信じ込まされている、ある種の「信者」のような心理状態にあることを理解する必要があります。

組織の上位会員からのプレッシャーやマインドコントロールを受けている可能性

マルチ商法の組織では、定期的に開催されるセミナーやミーティングを通じて、「友達を勧誘するのは、その人の人生を救うための良いことだ」という独特の価値観を徹底的に刷り込まれます。

また、新たな会員を獲得しなければ自身の収入が得られないというビジネスモデル上、上位会員からの「まだ誰も紹介できないのか?」といったプレッシャーも相当なものです。

あなたの友達は、そうした閉鎖的な環境の中で、正常な判断が難しいマインドコントロールに近い状態に陥っている可能性も十分に考えられます。

孤独感や自己肯定感の低さを埋めるために組織に依存してしまっている状況

現代社会における希薄な人間関係からくる孤独感や、仕事やプライベートで満たされない自己肯定感の低さを感じている人にとって、常にポジティブな言葉で励まし合い、仲間意識を過剰に強調するマルチ商法のコミュニティは、非常に魅力的で心地よい「居場所」に見えることがあります。

その組織に所属し、活動することが、自分の存在価値を証明するための大切な手段になってしまっている場合も少なくありません。

だからこそ、その「居場所」を否定されることに対して、非常に強い抵抗を示すのです。

友達との関係を壊さずにマルチ商法の勧誘から距離を置くためのインスタ上での賢い立ち回り方

勧誘をきっぱりと断った後も、できることなら友達との関係は維持したい、と考えるのは自然なことです。

特に、常にお互いの動向が見えてしまうインスタグラムのようなSNS上では、適切な距離感を保つための賢い立ち回りが重要になります。

関係を悪化させずに、かつ再勧誘を防ぐための具体的な方法をいくつかご紹介します。

マルチ商法関連の投稿には「いいね」やコメントをしないように徹底する

友達の投稿のうち、明らかにマルチ商法の活動に関連するキラキラ投稿や自己啓発系のポエムには、「いいね!」やコメント、スタンプなど、一切の反応をしないことが鉄則です。

社交辞令や義理でうっかり「いいね」や「すごいね!」といった肯定的なコメントをしてしまうと、「まだ脈があるかもしれない」「ビジネスには興味がなくても、活動は応援してくれているんだ」と相手に間違った期待をさせてしまい、忘れた頃に再び勧誘されるきっかけを与えかねません

相手を刺激しないようにミュート機能を活用して投稿を非表示にする

友達のキラキラ投稿や勧誘を連想させる投稿を何度も目にするのが精神的に辛い、イライラするという場合は、インスタグラムの「ミュート機能」を賢く活用しましょう。

これは、相手に知られることなく、その人の投稿やストーリーズを自分のフィード(タイムライン)に表示させなくする機能です。

フォローを外したり、最終手段であるブロックをしたりするよりもはるかに穏便な方法で、物理的に情報をシャットアウトし、あなたの心の平穏を保つことができます。

ビジネス以外のプライベートな話題では以前と同じように交流を続ける姿勢

相手のビジネス活動には一切触れない一方で、ペットの可愛らしい投稿や、趣味の話題、家族との心温まるエピソードなど、ビジネスとは全く無関係なプライベートな投稿には、これまで通り「いいね」やコメントをするように心がけましょう。

この使い分けによって、「あなたのビジネスや活動は受け入れることはできないけれど、一人の友人としてのあなたのことは、今でも変わらず大切に思っているよ」という重要なメッセージを、言葉を使わずに間接的に伝えることができます。

もし契約してしまったらどうする?ネズミ講やマルチ商法の契約を解除するためのクーリングオフ制度とは

万が一、その場の雰囲気に流されたり、断りきれなかったりして契約書にサインしてしまったり、高額な商品を購入してしまったりした場合でも、決して「もう終わりだ」と諦める必要はありません。

日本の法律では、そうした状況から消費者を守るための非常に強力な制度が用意されています。

その代表的なものが、無条件で契約を白紙に戻せる「クーリングオフ制度」です。

契約書面を受け取ってから20日以内なら無条件で契約解除できる制度

マルチ商法(連鎖販売取引)の場合、特定商取引法で定められた契約内容を記した書面(概要書面と契約書面)を受け取った日、もしくは最初の商品を受け取った日のどちらか遅い方から計算して20日間以内であれば、理由を問わず無条件で契約を解除することができます。

これが「クーリングオフ制度」です。

クーリングオフを行使すれば、違約金や損害賠償などを支払う必要は一切なく、すでに支払ったお金は全額返金され、購入した商品の引き取りにかかる費用もすべて業者(勧誘してきた会社)の負担となります。

これは、法律で認められた、消費者のための非常に強力な権利です。

クーリングオフの意思表示は必ずハガキなどの書面で行うことが重要

クーリングオフの意思表示を行う際は、電話やメール、口頭ではなく、必ずハガキや内容証明郵便といった「書面」で行う必要があります。

これは、後から「そんな連絡は受けていない」などと言われる「言った言わない」のトラブルを防ぎ、あなたが期間内に手続きをしたという動かぬ証拠を残すためです。

ハガキの場合は、送る前に両面のコピーをとり、郵便局の窓口で「特定記録郵便」や「簡易書留」で送付すると、いつ送ったかの記録が残るため、より確実で安心です。

期間が過ぎてしまっても諦めないで!中途解約やその他の交渉の可能性

クーリングオフ期間である20日間を過ぎてしまった場合でも、諦めるのはまだ早いです。

マルチ商法(連鎖販売取引)では、クーリングオフ期間経過後であっても、入会してから1年未満で、かつ商品を引き渡されてから90日未満の未使用商品であれば、定価の最大9割の価格で返品できる「中途解約・返品ルール」が法律で定められています。

また、勧誘時に「絶対に儲かる」といった嘘の説明があったり、リスクについて故意に告げられなかったりした場合は、「消費者契約法」に基づいて契約そのものを取り消せる可能性もあります。

友達や自分がネズミ講やマルチ商法で困った時に頼れる専門の相談窓口と公的機関の紹介

自分一人で解決するのが難しい、友達のことが心配でどうしたらいいかわからない、業者との交渉がうまくいかない…そんな時は、専門の知識を持った公的機関に相談することが非常に重要です。

無料で、かつ匿名で相談できる窓口がたくさんありますので、決して一人で抱え込まずに、専門家の力を頼ってください。

相談窓口 電話番号 主な相談内容
消費者ホットライン 188(いやや!) 契約トラブル全般、クーリングオフの方法など
法テラス 0570-078374 無料法律相談、弁護士・司法書士の紹介
警察相談専用電話 #9110 脅迫など犯罪の可能性がある場合

全国どこからでも相談できる消費者ホットライン「電話番号188(いやや!)」

どこに相談すればいいか全く分からない、という場合に、まず最初に電話すべきなのがこの消費者ホットラインです。

局番なしの「188」(いやや!と覚えましょう)に電話をかけると、あなたの地域の最寄りにある消費生活センターや消費生活相談窓口を自動で案内してくれます。

土日祝日でも相談可能な窓口もあり、契約のトラブルに詳しい専門の相談員が、マルチ商法の問題について今後の対応などを具体的にアドバイスしてくれます。相談は無料です。

公式サイト:消費者ホットライン「188」

法的なトラブル解決の道しるべとなる日本司法支援センター「法テラス」

契約解除や高額な返金請求など、弁護士や司法書士といった法律の専門家の力が必要になった場合に、非常に頼りになるのが「法テラス(日本司法支援センター)」です。

収入などの条件を満たせば、無料で法律相談を受けられたり、弁護士や司法書士の費用を一時的に立て替えてもらえたりする制度(民事法律扶助)があります。

クーリングオフの具体的な書き方や、悪質な業者との交渉について、法的な観点からあなたを力強くサポートしてくれます。

警察相談専用電話「電話番号#9110」で犯罪の可能性がある場合も相談可能

勧誘の手口が脅迫的であったり、監禁されて契約を迫られたりした場合、あるいは違法なネズミ講の疑いが非常に強い場合など、犯罪の可能性があると感じた場合は、警察相談専用電話「#9110」に相談しましょう。

緊急の事件・事故の通報ダイヤルである110番とは異なり、直接的な危険が迫っているわけではないけれど、犯罪に巻き込まれてしまったかもしれない、といった生活の安全に関する困りごとについて、専門の相談員が対応してくれます。

まとめ:インスタでの友達からの勧誘には冷静に!ネズミ講やマルチ商法の手口と見分け方を覚えて自分を守ろう

今回は、インスタグラムという身近なSNSを舞台に、大切な友達からネズミ講やマルチ商法の勧誘をされた際の、具体的な手口、危険な兆候の見分け方、そして何より重要な冷静な対処法について詳しく解説してきました。

最後に、この記事でお伝えした最も重要なポイントを一緒に振り返りましょう。

甘い言葉の裏にあるリスクを理解し自分の意思をはっきりと伝える勇気

「誰でも簡単に儲かる」「自由な生活が手に入る」といった、一見すると魅力的な言葉の裏には、大切なお金だけでなく、かけがえのない友達との人間関係をも一瞬で失ってしまう大きなリスクが潜んでいます。

少しでも怪しいと感じたら、その場の雰囲気や友情に流されることなく、「私はそのビジネスに興味がない」と自分の意思をはっきりと伝える勇気を持つことが、あなた自身を守るための、そして相手をこれ以上深みにはまらせないための第一歩です。

友達を失いたくないならビジネスと友情を切り離して考える冷静さ

勧誘してきた友達に対して、感情的に「裏切られた!」と非難したり、一方的に関係を断ち切ったりするのは、必ずしも最善の策ではありません。

多くの場合、勧誘している友達自身も、その組織の被害者である可能性を理解し、「あなたのビジネスの話は受け入れられないけれど、友人としての関係はこれからも続けたい」という姿勢を示すビジネスと友情を切り離して考える冷静さが、長期的に見て良い結果に繋がります。

困ったときは一人で悩まず専門の相談窓口を頼ることが最終的な解決策

この記事でご紹介した手口や見分け方を参考に、まずは冷静に対応することが基本ですが、それでも解決が難しい場合や、友達の状況が日に日に深刻になっているように見える場合は、決して一人で抱え込まないでください

消費者ホットライン「188」や法テラスといった公的な専門機関は、あなたと、そしてあなたの友達の力になるために存在しています。

正しい知識と第三者の力を借りることこそが、この複雑な問題を解決するための最も確実な方法です。ためらわずに相談してください。

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