【公務員向け】YouTube副業は収益化しない場合バレる?バレないための具体的な対策を徹底解説
公務員という安定した職業に就きながらも、「自分の趣味や特技を活かしてみたい」「社会に何かを発信したい」と考え、YouTubeに興味を持っている方は少なくないでしょう。
しかし、公務員は副業が厳しく制限されているため、「YouTubeを始めたら職場にバレるのではないか」「収益化しないなら大丈夫なのだろうか」といった大きな不安がつきまといます。
結論から申し上げますと、収益化しない場合でも、対策を怠ればバレる可能性は十分にあります。しかし、適切な手順と細心の注意を払うことで、バレるリスクを限りなくゼロに近づけながら、YouTube活動を楽しむことは可能です。
この記事では、公務員の方が安心してYouTubeを始めるために、なぜバレるのかという根本的な理由から、バレないための具体的な設定方法、運営上の注意点まで、ステップバイステップで徹底的に解説していきます。
結論から解説します 公務員のYouTube活動は収益化しない場合でもバレる可能性があります
多くの方が「収益化、つまりお金を稼がなければ副業には当たらないし、バレることもないだろう」と考えがちですが、その認識は少し危険かもしれません。
実際には、広告収入などを得ていなくても、あなたのYouTube活動が職場に知られてしまうケースは決して珍しくないのです。
ここでは、なぜ収益化の有無にかかわらずバレてしまうのか、その具体的なメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
住民や知人からの通報という最も可能性の高いバレる経路を理解する
YouTube活動がバレる最も一般的で、そして最も避けがたい原因は、残念ながら人間関係に起因します。
あなたのことを知っている友人、知人、あるいはあなたが住んでいる地域の住民が、偶然あなたの動画を発見し、「〇〇課の職員さんがYouTubeをやっている」と職場に通報するというケースです。
特に、市役所や町村役場に勤務する地方公務員の方であれば、地域住民との物理的・心理的な距離が近く、顔や声、あるいは動画に映り込んだ何気ない風景から個人が特定されやすい傾向にあります。
収益化しているかどうかは関係なく、「公務員が勤務時間外にこのような活動をしている」という情報だけで、善意・悪意を問わず職場に連絡がいく可能性があることを常に念頭に置く必要があります。
SNSとの連携や何気ない投稿から個人が特定されてバレる危険性
多くの方がYouTubeチャンネルの宣伝や視聴者との交流のために、X (旧Twitter)やInstagramといった他のSNSアカウントを利用します。しかし、このSNSの運用方法に大きな落とし穴があります。
例えば、普段使っているプライベートなSNSアカウントでYouTubeチャンネルを紹介してしまえば、そこからあなたの身元が判明するのは時間の問題です。友人や同僚が、その投稿をきっかけにあなたのチャンネルを知ることになります。
また、YouTube専用に作った匿名アカウントであっても油断は禁物です。SNSのアルゴリズムは非常に優秀で、あなたのスマホの連絡先や過去の閲覧履歴などから「知り合いかも?」として、あなたの友人や同僚にその匿名アカウントが表示されてしまうことがあります。
さらに、投稿内容から行動範囲や交友関係が推測され、結果的に個人が特定されてバレるというケースも少なくありません。
動画内容の過激化や不適切な表現が問題となりバレるケース
収益化をしていないからといって、どんな内容の動画を投稿しても良いわけではありません。公務員には、地方公務員法や国家公務員法で定められた「信用失墜行為の禁止」という服務規律があり、国民・住民全体の奉仕者としてふさわしくない行動は厳しく戒められています。
例えば、以下のような内容です。
- 特定の個人や団体を誹謗中傷する内容
- 過度に政治的な主張や偏った思想
- 公序良俗に反するような下品なコンテンツ
- 交通違反を助長するような危険な運転動画
これらが視聴者の目に留まり「公務員として不適切だ」と判断されれば、たとえ匿名であっても、いわゆる「特定班」による調査の対象となり、結果的に身元がバレる事態に発展する可能性があります。
そもそも公務員の副業がなぜ厳しく制限されているのかその本質を学ぶ
「なぜ公務員だけこんなに副業が厳しいのか」と疑問に思う方もいるでしょう。この制限の背景には、公務員という仕事の公共性と、それに対する国民からの信頼があります。
法律で定められたいくつかの重要な義務を理解することで、YouTube活動において何に気をつけるべきかの本質が見えてきます。ここでは、その根本的な理由を分かりやすく解説します。
国民全体の奉仕者として職務に専念する義務があるから
公務員は、一部の人のためではなく、国民や住民全体のために働く立場であり、その職務に心身のすべてを集中させることが求められます。これは「職務専念の義務」として法律(地方公務員法第35条、国家公務員法第101条)で明確に定められています。
副業に多くの時間や労力を費やすことで、本業である公務員の仕事がおろそかになってしまう事態を防ぐために、副業は原則として禁止されているのです。
YouTubeの動画制作は、企画、撮影、編集、投稿と非常に時間がかかる作業です。夢中になるあまり睡眠時間を削ってしまい、翌日の仕事に集中できない、といった状況は、この義務に違反すると判断されかねません。
公務員としての信用を傷つける行為が禁止されているから
公務員には「信用失墜行為の禁止」という服務規律(地方公務員法第33条、国家公務員法第99条)があります。
これは、公務員個人だけでなく、公務員という組織全体の信用を損なうような行動をしてはならない、という極めて重要な決まりです。
例えば、YouTubeで不適切な発言をしたり、公務員の立場を利用して偉そうな態度を取ったり、動画内で軽率な行動を見せたりする行為は、この信用失墜行為に該当する可能性があります。
たとえ勤務時間外のプライベートな活動であっても、収益の有無とは関係なく、公務員としての品位を保つことが常に求められるのです。
職務上知り得た秘密を守る守秘義務が課せられているから
公務員は、仕事を通じて一般の人が知り得ないような情報(非公開の内部情報、市民の個人情報など)に触れる機会が非常に多い職業です。
これらの情報を外部に漏らすことは「守秘義務」(地方公務員法第34条、国家公務員法第100条)によって固く禁じられています。この義務は、在職中はもちろん、退職後も生涯にわたって課せられます。
YouTubeで話す内容に、うっかり職務上の秘密情報が含まれてしまうようなことがあれば、それは重大な服務規律違反となります。雑談のつもりで話した「あの地域の新しい計画」や「職場の内部事情」などが、これに該当するリスクを常に意識しなければなりません。
収益化しないYouTube活動が副業に該当するのかどうかを具体的に考える
「収益化しないなら副業ではない」と単純に考えがちですが、法的な解釈はもう少し複雑です。
副業(兼業)に当たるかどうかは、単にお金をもらっているかだけでなく、活動の性質や継続性、目的など、さまざまな観点から総合的に判断されます。
ここでは、どのようなケースが「趣味の範囲」と見なされ、どのようなケースが「副業」と判断される可能性があるのかを具体的に見ていきましょう。
趣味の範囲と判断されるYouTube活動の具体的なボーダーライン
一般的に、完全に無報酬で、自己表現や家族・友人との情報共有を主たる目的とした活動であれば、「趣味の範囲」と見なされる可能性が高いです。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 自分のペットの可愛い姿を記録した動画を投稿する
- 好きなゲームのプレイ動画を収益化せずに公開する
- 旅行の思い出をVlogとしてまとめる
重要なのは、そこに事業性や営利目的がないことです。ただし、チャンネル登録者数が数万人規模になるなど、社会的な影響力が非常に大きくなると、たとえ収益化していなくても「副業的活動」と見なされる可能性が出てくるため注意が必要です。
アフィリエイトリンクや企業案件は収益化と見なされ副業に該当する
YouTubeの収益化は、動画再生時に表示される広告収入だけではありません。注意すべきは以下の2つです。
一つは、動画の説明欄にAmazonアソシエイトなどのアフィリエイトリンクを貼り、視聴者がそのリンク経由で商品を購入すると紹介料が入る仕組みです。これは立派な営利活動であり、明確に副業に該当します。
もう一つは、企業から商品提供を受けてレビューする、いわゆる「企業案件」です。たとえ直接的な金銭の授受がなくても、物品という経済的利益を得ていると見なされ、副業と判断される可能性が極めて高いです。これらの活動は、YouTubeパートナープログラムによる収益化をしていなくてもアウトです。
継続性や事業性があると判断された場合に副業と見なされるリスク
たとえ直接的な収益がゼロであっても、活動に「継続性」や「事業性」があると判断されると、副業と見なされるリスクがあります。
例えば、「毎週金曜日の夜に必ず動画を更新する」といった定期的な活動や、「チャンネル登録者1万人を目指す」と公言し、そのために積極的に宣伝活動や動画分析を行っている場合、それはもはや単なる趣味を超えた「事業」の準備段階と解釈されるかもしれません。
人事院の規則では、自営業(事業)を行う場合は任命権者(所属長など)の許可が必要とされています。
この「事業性」の判断はケースバイケースであり、最終的には所属長の裁量に委ねられるため、解釈には幅があることを理解しておく必要があります。
実際の事例から学ぶ 公務員のYouTube活動がバレる典型的なパターン
理論だけでなく、実際にどのような経緯でバレてしまうのかを知ることは、効果的な対策を立てる上で非常に重要です。
ここでは、過去の事例や想定されるシナリオを元に、公務員のYouTube活動が職場に発覚する典型的なパターンをいくつかご紹介します。これらの事例を他山の石としましょう。
同僚との何気ない会話からうっかり自分で話してしまいバレるパターン
最も多く、そして最も人間味あふれるのが、実はこの「自白」パターンです。
仲の良い同僚や後輩に「実は週末、YouTubeをやっていて…」と軽い気持ちで話してしまったことが、噂となって部署内、さらには庁舎全体に広まってしまうケースです。
話した相手に悪意がなくても、話は人から人へと伝わるうちに尾ひれがついてしまうもの。「絶対に他の人には言わないでね」という約束は、残念ながら組織の中ではあまりあてになりません。
バレたくないのであれば、職場関係者には誰にも話さない、という鉄の意志を持つことが何よりも重要です。信頼できる相手だと思っても、口外しないのが賢明です。
動画に映り込んだ特徴的な建物や風景から居住地が特定されバレるパターン
特に屋外で撮影する場合に細心の注意が必要です。自分では気づかないような些細なものが、身元特定の決定的な証拠になることがあります。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 動画の背景に映り込んだ特徴的な公園の遊具やモニュメント
- 有名なランドマークや、その地域特有のチェーン店の看板
- 窓から見える特徴的な山並みや川の形
– 珍しいデザインのマンホールや、電柱に書かれた地名
地域の情報に詳しい人が見れば、「この場所は〇〇市の△△公園だ」「この角度から見える山は、あの辺りから撮っているな」とすぐに分かってしまいます。
そこから、その地域に住む公務員という線で調査が進み、個人が特定されるリスクがあります。
自分の声や話し方の癖、顔の一部など身体的特徴からバレるパターン
顔出しをしていなくても、声には非常に多くの個人情報が含まれています。
特徴的な声質や、特定の言い回し、方言や訛り、笑い声などから、あなたのことを日常的に知る人が聞けば「この声、もしかして〇〇さんじゃないか?」と気づく可能性は十分にあります。
また、手元だけを映す料理動画や作業動画であっても油断はできません。
手の形や爪の癖、ほくろの位置、いつも身につけている指輪や腕時計などから個人が特定されることもあります。匿名で活動する以上は、自分の身体的特徴が動画に現れないよう、細心の注意を払う必要があります。
絶対にバレたくない公務員がYouTubeを始めるための鉄壁の準備ステップ
バレるリスクを十分に理解した上で、それでもYouTubeを始めたいと考えるならば、徹底した準備が不可欠です。
思いつきで始めるのではなく、計画的に、そして慎重に最初のステップを踏み出すことが、将来の安心につながります。ここでは、バレるリスクを最小限にするための具体的な準備手順を解説します。
バレないための準備リスト
- 活動専用のGoogleアカウントを新規作成する
- 個人を特定できないチャンネル名・プロフィールにする
- プライベートのSNSとは完全に切り離す
YouTube活動専用のGoogleアカウントを新規で作成する
まず、何よりも最初に行うべき最も重要なことが、YouTube活動専用のGoogleアカウントを新しく作ることです。
絶対に、普段プライベートで使っているGoogleアカウントでチャンネルを開設してはいけません。プライベートなアカウントには、あなたの本名や連絡先、スマートフォンの電話番号、他のGoogleサービスでの活動履歴などが紐付いており、思わぬところから個人情報が漏れる直接的な原因になります。
新しいアカウントは、本名とは全く関係のない名前、そして誰にも教えていない新しいメールアドレス(フリーメールでOK)で作成しましょう。生年月日なども、念のため実際のものとは違うものを設定しておくのが安全です。
チャンネル名やプロフィールは個人を特定できないものに設定する
次に、チャンネル名とプロフィールを設定します。ここでも匿名性を徹底することが重要です。
チャンネル名は、あなたの本名、ニックネーム、居住地、職業などを一切連想させない、全く無関係なものにしてください。例えば、「多摩の公務員ブログ」「霞が関OLの日常」のような名前は論外です。
プロフィール欄(概要欄)にも、個人情報を一切書かないようにします。年齢、性別、住んでいる都道府県なども、視聴者があなたを推測するヒントになる可能性があるので記載は避けるのが賢明です。
抽象的で、誰だか全く分からない架空のキャラクターを確立することが重要です。
プライベートで利用しているSNSアカウントとは完全に切り離して運用する
もしYouTubeチャンネルの告知などでSNSを利用する場合は、そのSNSアカウントもYouTube活動専用に、完全に新しく作成してください。
そして、プライベートで使っているX (旧Twitter)やInstagramのアカウントとは、絶対に相互フォローしたり、「いいね」やリプライを送り合ったりしてはいけません。
SNSのアルゴリズムは非常に優秀で、「共通の知り合い」や興味関心の類似性から「知り合いかも?」として、あなたのプライベートアカウントが他の人に推薦されてしまう可能性があります。
物理的なつながりは完全に断ち切る必要があると覚えておきましょう。
YouTubeチャンネルの匿名性を極限まで高める具体的な設定方法
アカウントの準備ができたら、次はチャンネル自体の匿名性を高める設定と、動画作成時の工夫が必要です。
動画の内容だけでなく、チャンネルの見た目や運営方法にも細心の注意を払うことで、バレるリスクをさらに下げることができます。ここでは、具体的な設定やテクニックをいくつか紹介します。
チャンネルアートやアイコンに身元が分かる画像を使用しない
チャンネルの顔となるアイコンやチャンネルアート(ヘッダー画像)には、細心の注意を払ってください。当然ながら、自分の顔写真や、特徴のあるペットの写真、自宅の部屋の写真などを使うのは絶対にNGです。
「イラストAC」や「Pexels」といったフリー素材サイトで入手した、個人とは全く関係のないイラストや風景写真を利用しましょう。
自分で描いたイラストであっても、特徴的な画風から作者がバレる可能性もゼロではありません。もし使用する場合は、誰にでも描けそうな普遍的なデザインを選ぶのが無難です。
声出しをする場合はボイスチェンジャーソフトの利用を検討する
もし動画内で解説やナレーションを入れる必要がある場合は、地声ではなくボイスチェンジャーソフトの利用を強く推奨します。
最近のボイスチェンジャーソフト、例えば無料で高機能な「Voicemod」や「恋声」などは、非常に自然な音声に変換することができ、男性の声を女性の声に、あるいはその逆に変えることも可能です。
これを利用すれば、声の特徴から個人が特定されるリスクを劇的に下げることができます。無料のソフトも多数あるので、いくつか試してみて自分のイメージに合うものを見つけると良いでしょう。
動画編集で背景の特定につながる部分にモザイクやぼかしを入れる
屋外はもちろん、たとえ自宅で撮影した動画であっても、背景には個人情報につながるヒントが溢れています。
窓の外の景色、壁にかけてあるカレンダー、机の上の書類の束、PCのデスクトップ画面、スマホの通知など、思わぬものが映り込んでいないか、投稿前に何度も確認しましょう。
少しでも個人情報につながりそうなものがあれば、動画編集ソフトの機能を使って、モザイクやぼかしを必ず入れる癖をつけてください。
無料でプロ並みの編集ができる「DaVinci Resolve」や、初心者にも使いやすい「AviUtl」などにも、基本的なモザイク機能は搭載されています。
収益化しない場合でも絶対に注意すべきYouTube運営上のポイント
収益化しないからといって、何をしても許されるわけではありません。公務員という立場を一時も忘れず、常に節度ある行動を心がけることが、無用なトラブルを未然に防ぐ最大の鍵となります。
ここでは、収益化の有無にかかわらず、チャンネルを運営する上で絶対に守るべきポイントを解説します。
公務員の信用や品位を傷つけるような過激なコンテンツは絶対に避ける
繰り返しになりますが、公務員には「信用失墜行為の禁止」が定められています。
他人を誹謗中傷したり、差別的な発言をしたり、公序良俗に反するような過激なコンテンツは、絶対に作成してはいけません。
たとえ匿名であっても、動画が炎上すれば発信者特定に至る可能性は十分にあります。そうなれば懲戒処分の対象となることは確実です。
常に、国民全体の奉仕者としての自覚を持ち、誰に見られても恥ずかしくないコンテンツ作りを心がけましょう。
政治的な意見や特定の思想に偏った発言は控える
公務員は政治的に中立な立場であることが求められます。これは職務遂行上、非常に重要な原則です。
特定の政党を支持したり、逆に激しく批判したりするような政治的な発言は、職務の中立性を疑われる原因となり、非常に危険です。
YouTubeは個人の表現の場ではありますが、公務員という身分である以上、その自由は一定の制約を受けます。
政治や宗教といったデリケートな話題には、一切触れないのが賢明な判断です。
職務上知り得た情報を少しでも漏らすような発言は厳禁
「ここだけの話ですが…」「うちの職場では…」といった前置きで、職場でしか知り得ないような情報を話してしまうのは、守秘義務違反に直結する最も危険な行為です。
たとえそれが自分では些細な情報だと思っていても、外部の人間にとっては貴重な内部情報かもしれません。
自分の仕事内容や職場の人間関係、業務上のエピソードなどは、たとえ面白おかしく脚色したとしても、話題にすること自体を絶対に避けるべきです。
雑談レベルの話題でも、服務規律違反になるリスクを忘れないでください。
万が一YouTube活動が職場にバレる事態になった場合の対処法を考える
どれだけ注意深く対策を講じていても、人的なミスや不運な偶然が重なり、100%バレないという保証は残念ながらありません。
万が一、職場にYouTube活動が知られてしまった場合に、どう対応すれば良いのかをあらかじめ考えておくことも、リスク管理の一環として重要です。パニックにならず、冷静に対処するための心構えについて解説します。
まずは正直に所属長に事実を報告し説明責任を果たす
もし上司や人事課から呼び出され、YouTube活動について問われた場合は、嘘をついたり隠したりせず、正直に事実を話すことが何よりも重要です。
その場しのぎの言い訳や隠蔽は、事態をさらに悪化させるだけです。後で嘘が発覚すれば、信頼を完全に失い、より重い処分につながる可能性があります。
どのような目的で、どのような内容のチャンネルを、どのくらいの頻度で運営していたのかを誠実に説明しましょう。特に、収益化しておらず、あくまで趣味の範囲であったことを丁寧に説明することで、理解を得られる可能性もあります。
営利目的でないことや服務規律に違反していないことを誠実に説明する
事情聴取の際には、パニックにならず、以下の点を論理的かつ誠実に説明することが求められます。
- 営利目的ではないこと: 広告収入やアフィリエイトなど、一切の収益化を行っていないことを明確に主張する。
- 職務専念の義務違反ではないこと: 勤務時間外の余暇時間のみで活動しており、本業に支障が出ていないことを具体的に説明する。
- 信用失墜行為ではないこと: チャンネルの内容が公序良俗に反したり、公務員の品位を貶めるものではないことを、実際の動画を示しながら説明する。
- 守秘義務違反ではないこと: 職務上の情報を一切漏洩していないことを断言する。
誠実な態度が、最終的な処分を判断する上で最も重要な要素になることを忘れないでください。
弁護士や専門家への相談も視野に入れておくことの重要性
もし、自分の説明だけでは状況が不利に進みそうだと感じたり、事実誤認に基づいて不当な処分を受けそうになったりした場合は、法律の専門家である弁護士に相談することも選択肢の一つです。
特に、公務員の服務規律や懲戒処分に詳しい弁護士であれば、あなたの状況を客観的に分析し、法的な観点から適切なアドバイスをしてくれるはずです。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りる勇気も必要です。無料相談を受け付けている弁護士事務所もありますので、まずは情報収集から始めてみましょう。
将来的にYouTubeで収益化を目指したい場合に知っておくべきこと
今は収益化せずに趣味として楽しむつもりでも、「チャンネルが育ってきたら、いつかは収益化したい」という気持ちが芽生えるかもしれません。
その将来を見据えるのであれば、今から知っておくべき重要な注意点があります。無計画に収益化に踏み切ると、服務規律違反となり、取り返しのつかないことになる可能性があります。
収益化を目指すなら事前に所属長の許可を得ることが絶対条件
YouTubeで広告収入を得るなど、収益化を行うことは明確に「副業」に該当します。
公務員が副業(兼業)を行うには、法律上、任命権者(所属長や人事委員会など)の許可を得ることが必須条件です。
許可なく収益化を始めた場合、それは明白な兼業規定違反となり、懲戒処分の対象となります。もし将来的に収益化を考えているのであれば、必ず事前に所属長に相談し、正式な手続きを踏んで許可を得なければなりません。
許可が得られやすいジャンルと得られにくいジャンルが存在する
副業の許可申請をしたとしても、必ず許可が下りるわけではありません。許可の判断基準は、その活動が「公務員の信用を傷つけないか」「本業に支障が出ないか」「公益性があるか」といった点です。
一般的に、不動産賃貸や小規模な農業、社会貢献性の高い執筆活動などは許可されやすい傾向にあります。
一方で、YouTubeは内容次第です。教育的なコンテンツ(例:自身の専門知識を活かした解説動画)や、地域の魅力を発信するような地域振興に繋がる内容であれば可能性はあります。
しかし、単なるエンタメ系の内容やゲーム実況などで許可を得るのは難しいと考えた方が良いでしょう。
収益が発生した場合は確定申告が別途必要になることを理解する
無事に許可が得られて収益化が始まった場合、今度は税金の問題が発生します。
副業による所得(収入から経費を引いた額)が年間20万円を超えると、給与とは別に自分で確定申告を行う義務が発生します。
これを怠ると脱税となり、重いペナルティが課せられます。また、確定申告をすると翌年の住民税額が変化し、その通知が職場(給与担当)に届くことで、結果的に職場に副業がバレる原因にもなります。(住民税の徴収方法を「普通徴収」に切り替える対策が必要です)
収益化するということは、納税の義務もセットで発生するということを正しく理解しておく必要があります。
まとめ 公務員がYouTube副業でバレる心配をせずに活動するための総括
ここまで、公務員が収益化しないでYouTubeを始める際の注意点や、バレないための具体的な方法について詳しく解説してきました。
最後に、あなたが安心して活動を続けるために、最も重要なポイントを改めて確認し、この記事を締めくくりたいと思います。
バレずに続けるための三原則
1.身元特定のリスクを理解し、匿名性を徹底する
2.公務員としての品位を保ったコンテンツを作る
3.決して無理をせず、楽しむことを忘れない
バレる最大のリスクは収益の有無ではなく身元の特定にあることを再認識する
公務員のYouTube活動において、最も警戒すべきは収益化しているかどうかではありません。
あなたの身元が特定され、公務員という立場とチャンネルが結びついてしまうこと、それ自体が最大のリスクです。
収益がゼロであっても、不適切な内容であれば懲戒処分の対象になりますし、知人に見つかれば職場に知られる可能性があります。
まずは「匿名性の徹底」こそが、すべての防御の基本であり、最も重要な砦であることを絶対に忘れないでください。
徹底した匿名化と公務員としての品位を保つコンテンツ作りが全て
バレずにYouTubeを続ける秘訣は、突き詰めれば二つの鉄則に集約されます。
一つは、本記事で繰り返し解説した、専用アカウントの作成、個人情報を連想させない設定、ボイスチェンジャーの活用といった「徹底した匿名化」です。
もう一つは、公務員としての信用を絶対に傷つけない、誰に見られても問題のない「品位あるコンテンツ作り」です。
この二つの鉄則を守り続ける限り、あなたはバレるリスクを最小限に抑え、安心して自己表現の場を楽しむことができるでしょう。
不安な場合は無理せず趣味の範囲で楽しむという選択肢を持つ
さまざまな対策を講じても、なお「いつかバレるのではないか」という不安が拭えないのであれば、無理にYouTubeを続ける必要はありません。
精神的なストレスを抱えながらの活動は、本業である公務にも悪影響を及ぼしかねません。
動画を公開せずに、撮影や編集の技術を磨くことに専念したり、ごく親しい友人や家族だけに見せる限定公開で楽しんだりするなど、あくまで自分自身の趣味の範囲で完結させるという選択肢も立派な一つです。
あなたの人生にとって何が最も大切かを見失わず、賢明な判断をしてください。
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