副業を始めたばかりで「確定申告って何だか難しそう…」「収入がいくらから必要なの?」「20万円以下なら本当に何もしなくていいの?」といったたくさんの疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
この記事では、そんな確定申告が初めてのあなたに向けて、専門用語も分かりやすく解説しながら、スマートフォンだけで確定申告を完結させる具体的なやり方を丁寧にご紹介します。
この記事を最後まで読めば、確定申告に対する漠然とした不安がなくなり、自信を持って正しく手続きを進められるようになります。
まず結論から解説!副業の確定申告はスマホでできる!20万円以下の収入の扱いはどうなる?
「確定申告って、結局どうすればいいの?」多くの方が気になるこの疑問について、まず最初に結論からズバリお伝えします。
面倒なイメージのある副業の確定申告は、今やスマートフォン一つあれば驚くほど簡単に完結させることが可能です。
そして、よく耳にする「20万円の壁」についても、その本当の意味と注意点をここでしっかりと理解しておきましょう。
副業の確定申告はスマホがあれば自宅で簡単に完了させることができます
はい、結論として、副業の確定申告はスマートフォンだけで全ての作業を完了させることが可能です。
以前はパソコンが必須で、書類を印刷して郵送する…といった手間のかかるイメージがありましたが、国税庁のシステム「e-Tax」がスマホに完全対応したことで、時代は大きく変わりました。
マイナンバーカードと、それを読み取れるスマートフォンさえあれば、書類の作成から提出まで、文字通りすべて自宅のソファやベッドの上で終わらせることができます。
さらに、後述する会計ソフトのアプリを使えば、日々の売上や経費の入力もスマホで完結するため、確定申告のためにわざわざパソコンを開く必要はもうありません。
副業の所得が20万円以下なら確定申告は原則として不要です
会社員やパートなど、本業で給与をもらっている方が副業をしている場合、その副業で得た「所得」が年間で20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。
ここで最も大切なポイントは「収入」ではなく「所得」で判断するという点です。
「所得」とは、副業で得た売上(収入)の総額から、その仕事をするためにかかった経費を差し引いた、いわば「儲け」の部分を指します。
例えば、Webライターとして年間25万円の収入があっても、取材のための交通費や資料代などの経費が6万円かかっていれば、所得は「25万円 – 6万円 = 19万円」となり、20万円以下なので確定申告は不要、ということになります。
ただし副業所得が20万円以下でも住民税の申告は別途必要になります
「所得が20万円以下なら何もしなくていいんだ!」と安心してはいけません。ここに大きな落とし穴があります。
所得税の確定申告が不要な場合でも、あなたがお住まいの市区町村に対する住民税の申告は別途必要になります。
確定申告を行えば、その情報が税務署から自動的に市区町村に連携されるため、住民税の申告は改めて行う必要はありません。
しかし、確定申告をしない場合は、自分で市区町村の役所の窓口に出向くか、ウェブサイトから申告書をダウンロードして郵送するなどの方法で、住民税の申告をしなければなりません。
この住民税の申告を忘れると、後から延滞金が加算された納税通知書が届く可能性があるので、くれぐれも注意が必要です。
そもそも副業の確定申告はいくらから必要になるのか基本的なルールを理解しよう
「私の場合は、いくらから確定申告が必要なの?」という疑問は、副業を始めた誰もが抱く最初の壁です。
ここでは、どのような場合に確定申告の義務が発生するのか、その基本的なルールについて、誰にでもわかるように具体例を交えながら丁寧に解説していきます。
このルールを正しく理解することが、スムーズで間違いのない申告への第一歩です。
会社員の方の副業は年間の所得が20万円を超えたらいくらからでも確定申告が必要です
会社員として給与をもらっている方が副業をしている場合、その副業による年間の「所得」が20万円を超えた時点で、確定申告が必要になります。
所得が20万1円でも、100万円でも、金額の大小にかかわらず「20万円を超えたら申告の義務が発生する」と覚えておきましょう。
この「20万円」という数字は、副業を続ける上で常に意識しておくべき大切なボーダーラインです。
例えば、ハンドメイド作品をネットで販売して年間30万円の売上があり、材料費や送料などの経費が合計5万円かかった場合、所得は25万円(30万円 – 5万円)となり、20万円を超えているため確定申告が必要です。
収入と所得の違いを正確に理解しておくことが確定申告のやり方の第一歩です
確定申告の世界で最も重要で、多くの人がつまずきやすいのが「収入」と「所得」の違いです。
- 収入(売上):お客様から受け取ったお金の総額のこと。
- 所得(儲け):収入から、その仕事にかかった必要経費を差し引いた、最終的な利益のこと。
この違いを理解することが、正しい申告の第一歩となります。
例えば、ブログでアフィリエイト収入が年間25万円あったとしても、サーバー代やドメイン代、記事作成のために購入した書籍代などで合計6万円の経費がかかっていれば、所得は19万円(25万円 – 6万円)です。
この場合、所得は20万円以下なので、所得税の確定申告は不要となります。
日頃から経費の領収書やレシートをしっかり記録・保管しておくことが、いかに大切かが分かりますね。
フリーランスや個人事業主の場合は所得が48万円を超えたら確定申告が必要です
会社に属さず、フリーランスや個人事業主として副業をしている、あるいはそれを本業として活動している場合は、会社員の方とはルールが異なります。
この場合、年間の所得が48万円を超えると確定申告が必要になります。
この48万円という金額は、すべての納税者に適用される「基礎控除」という割引制度の額です。
つまり、所得が48万円以下であれば、基礎控除によって税金がゼロになるため、申告の義務も発生しないということになります。
会社員ではない方は、この「48万円」という基準をしっかりと覚えておきましょう。
多くの人が勘違いする副業所得20万円以下の確定申告ルールの落とし穴
「副業所得が20万円以下なら、税金関係は何もしなくていい」という情報は、実は少し不正確で、いくつかの見落としがちな落とし穴が存在します。
この「20万円ルール」を正しく理解していないと、思わぬところで損をしたり、気づかないうちに手続き漏れが発生したりする可能性があります。
ここでは、初心者が陥りやすいよくある勘違いとその対策について詳しく解説します。
医療費控除やふるさと納税で確定申告をする場合は20万以下の副業所得も申告が必要です
これが最も注意すべき落とし穴の一つです。
例えば、年間の医療費がたくさんかかったために医療費控除を受けたい場合や、ふるさと納税をして寄付金控除(ワンストップ特例制度を利用しない場合)を受けたい場合など、何らかの理由で自分から確定申告を行う際にはルールが変わります。
これらの控除を受けるために確定申告をするのであれば、たとえ副業の所得が20万円以下であっても、その金額を一緒に申告しなければならないという決まりがあります。
副業所得が1円でもあれば、その金額を申告書に漏れなく記載する必要があるのです。「20万円以下だから書かなくていいや」は通用しないので注意しましょう。
副業がアルバイトやパートの場合収入が20万円以下でも確定申告が必要な場合があります
あなたの副業の種類が、業務委託契約のWebライターやデザイナーなどではなく、他の会社でのアルバイトやパートである場合は話が少し変わってきます。
アルバイトやパートで得るお金は「給与」にあたり、この場合は「給与所得」となります。
複数の会社から給与をもらっている場合、年末調整はメインの1社でしか行えません。
そのため、副業のアルバイト先で得た給与については年末調整がされず、税金が天引き(源泉徴収)されたままの状態になります。
この天引きされすぎた税金を取り戻したり、不足分を納めたりするために、収入金額にかかわらず確定申告が必要になるケースが多いのです。
副業先からもらった源泉徴収票を確認し、よくわからない場合は税務署や税理士に相談するのが安全です。
確定申告をしないと住民税の申告を忘れてしまうリスクが非常に高いです
先ほども触れましたが、これが最も多くの人が陥る最大の落とし穴です。
所得が20万円以下で確定申告をしなかった場合、住民税の申告手続きのことをすっかり忘れてしまいがちになります。
多くの人が「確定申告をしなくていい」=「税金に関する手続きは一切不要」と勘違いしてしまうのです。
しかし、住民税には所得税のような「20万円以下なら申告不要」という特例はありません。
所得が発生した以上、金額の大小にかかわらず申告義務があります。申告を忘れると、後日、役所から通知が来て、延滞税などが加算された金額を支払うことになるため、必ず忘れずに手続きを行いましょう。
スマホだけで副業の確定申告を完結させるための具体的なやり方をステップで紹介
お待たせしました!ここからは、いよいよ本題である、スマートフォンだけで副業の確定申告をラクラク終わらせるための具体的なやり方を、一つ一つのステップに分けて詳しく解説していきます。
この手順通りに進めれば、確定申告が全く初めての方でも迷うことなく、スムーズに申告作業を終えることができるでしょう。
スマホ確定申告の4ステップ
- マイナンバーカードとスマホを用意して事前準備を終わらせる
- 会計ソフトを使ってスマホで収入と経費を入力する
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーへスマホでアクセスしデータを連携する
- 作成した申告書をスマホからe-Taxで提出する
ステップ1 マイナンバーカードとスマホを用意して事前準備を終わらせるやり方
まず最初に、確定申告をスマホで行うための「道具」を揃えましょう。
必要なものは「マイナンバーカード」と「マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン」のたった2点です。
また、マイナンバーカードを役所で受け取った際に設定した、以下の2種類のパスワードも必要になります。
- 署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁の英数字)
- 利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁の数字)
もし忘れてしまった方は、お住まいの市区町村の窓口で再設定の手続きをしておきましょう。
最後に、国が提供する「マイナポータル」というアプリをスマホにインストールしておきます。
このアプリが、マイナンバーカードを読み取って本人確認を行うための重要な役割を果たします。
ステップ2 会計ソフトを使ってスマホで収入と経費を入力する具体的なやり方
次に、確定申告の元となる日々の取引データを記録・集計します。
この作業には、スマホ対応の会計ソフトを利用するのが最も簡単で確実なやり方です。
代表的なソフトには「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」などがあります。
これらのアプリをスマホにインストールし、副業で得た売上が入金された日や金額、仕事で使った経費の内容と金額を、レシートや請求書を見ながらコツコツと入力していきましょう。
銀行口座やクレジットカードをアプリに連携させれば、多くの取引が自動で記録されるため、入力の手間を大幅に省くことができて非常に便利です。
ステップ3 国税庁の確定申告書等作成コーナーへスマホでアクセスしデータを連携するやり方
会計ソフトでの入力が一年分終わったら、いよいよ申告書を作成します。
スマートフォンのブラウザ(SafariやGoogle Chromeなど)から「国税庁 確定申告書等作成コーナー」と検索して公式サイトにアクセスします。
画面の指示に従い、「作成開始」をタップし、提出方法として「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択してください。
その後、ステップ1でインストールした「マイナポータル」アプリを起動するように促されます。
パスワード(4桁の数字)を入力して本人確認が完了すると、申告書作成画面に進むことができます。
ステップ4 作成した申告書をスマホからe-Taxで提出する最終手順のやり方
申告書作成画面では、ステップ2の会計ソフトで作成したデータを連携させるのが最も簡単なやり方です。
「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」などの主要なソフトは、この国税庁のサイトと連携する機能を持っています。
会計ソフト側で作成した申告用データを、画面の指示に従って読み込ませることで、売上や経費、所得の金額などが自動的に申告書に転記されます。
内容に間違いがないか最終確認を行い、最後に再びマイナンバーカードをスマホで読み取って電子署名(6〜16桁の英数字パスワードを入力)を行えば、提出完了です。
送信後に表示される受付完了の通知は、必ずスクリーンショットなどで保存しておきましょう。
スマホでの確定申告のやり方で迷わないための必須アイテムと事前準備
スマホでの確定申告は非常に便利ですが、いざ申告期間が始まってから「あれが足りない!」「パスワードが分からない!」と慌てないために、事前にしっかりと準備しておくことが成功の秘訣です。
ここでは、スマホ申告をスムーズに進めるために絶対に必要になるアイテムと、事前に済ませておくべき準備について、改めて確認しておきましょう。
マイナンバーカードはスマホでの確定申告に必須なので早めに発行しておきましょう
スマホで確定申告を行う「e-Tax(マイナンバーカード方式)」では、その名の通りマイナンバーカードが絶対に必要です。
もし、まだ持っていない場合は、申請から受け取りまでに1ヶ月以上かかることもあるため、確定申告の時期(例年2月16日〜3月15日)が近づく前に、できるだけ早く市区町村の役所で申請手続きを済ませておきましょう。
カードを受け取る際には、必ず2種類のパスワードを設定することになりますが、このパスワードは申告時に毎年使うので、絶対に忘れないようにメモして厳重に保管しておいてください。
確定申告に対応した会計ソフトのアプリをスマホにインストールしておきましょう
日々の取引を記録し、面倒な計算を自動で行い、最終的な申告データを作成するために、会計ソフトのアプリは必須級のアイテムと言えます。
先ほども紹介した「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」のほか、「やよいの青色申告 オンライン」なども人気があります。
これらのアプリを事前にスマホにインストールし、アカウントを作成しておきましょう。
多くは無料プランや無料お試し期間があるので、いくつか使ってみて、自分にとって一番使いやすいと感じるものを選ぶのがおすすめです。
副業で使った経費のレシートや領収書はスマホで撮影して保存しておきましょう
副業の所得を正しく計算し、節税につなげるためには、経費を証明するレシートや領収書が不可欠です。
しかし、紙のままだと財布の中でぐちゃぐちゃになったり、紛失したり、時間が経つと印字が消えてしまったりするリスクがあります。
そこでおすすめなのが、受け取ったレシートをすぐにスマートフォンのカメラで撮影して、画像データとして保存しておくやり方です。
会計ソフトのアプリには、レシートを撮影するとAIが自動で日付や金額を読み取ってくれる機能がついているものもあり、これを活用すれば入力の手間も省け、管理も非常に楽になります。
副業の確定申告をスマホで行う際におすすめの会計ソフトとその選び方
スマホでの確定申告を成功させる最大の鍵は、自分に合った会計ソフトを選ぶことだと言っても過言ではありません。
数あるソフトの中から、どのような基準で選べば良いのか、また、初心者におすすめの具体的なソフトはどれなのかを詳しくご紹介します。
ここで紹介するソフトを使えば、簿記の知識が全くなくても安心して申告準備を進められます。
初心者には質問に答えるだけで申告書が作れるfreee会計がおすすめです
会計や簿記の知識が全くない、数字を見るのも苦手…という方に特におすすめなのが「freee会計」です。
このソフトの最大の特徴は、簿記の専門用語である「借方」「貸方」といった言葉を一切使わずに、「いつ」「誰に」「いくら」支払ったか、といった日常的な言葉で取引を登録できる点にあります。
確定申告の書類作成時も、〇✕形式の簡単な質問に答えていくだけで、自分に必要な書類が自動的に判断され、作成が進んでいきます。
まるで専門家と対話しながら進めているような感覚で作業できるため、初心者の方が感じる「これで合っているのかな?」という不安を大きく軽減してくれます。
銀行連携や操作性で選ぶならマネーフォワード クラウド確定申告も有力な選択肢です
「マネーフォワード クラウド確定申告」も、初心者から上級者まで幅広く支持されている人気の会計ソフトです。
このソフトの強みは、なんといっても連携できる銀行口座やクレジットカードの種類が非常に豊富な点です。
あなたが普段使っている金融機関のほとんどを連携させることで、取引データの自動取得がスムーズに行え、手入力の手間を極限まで減らすことができます。
アプリの操作画面も直感的でわかりやすくデザインされているため、日々の収支管理ツールとしても非常に優秀です。
まずは無料プランで試してみて自分の副業スタイルに合うやり方を見つけましょう
「freee会計」も「マネーフォワード クラウド確定申告」も、機能が制限された無料プランや、一定期間すべての機能が使える無料お試し期間を提供しています。
いきなり有料プランに契約するのではなく、まずは無料で実際に使ってみることを強くおすすめします。
レシートを撮影する機能の精度や、銀行連携のスムーズさ、アプリ全体の操作感などを実際にスマホで試してみて、ご自身の副業のスタイルや性格に「しっくりくる」と感じた方を選ぶのが、失敗しない選び方の最大のコツです。
実際にスマホで確定申告のやり方をシミュレーション!e-Taxの操作画面を見てみよう
百聞は一見に如かず。ここでは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のスマホ版が、実際にどのような画面で、どのように操作を進めていくのかを一緒にシミュレーションしてみましょう。
実際の画面の流れを事前に知っておくことで、本番での戸惑いをなくし、自信を持って操作できるようになります。
確定申告書等作成コーナーにアクセスしてマイナポータルアプリと連携するやり方
まず、スマートフォンのブラウザで国税庁の公式サイト「確定申告書等作成コーナー」を開きます。
「作成開始」をタップすると、申告内容に関する簡単な質問が表示されるので、それに答えます。
次に、提出方法の選択画面で「e-Tax マイナンバーカード方式」を選びます。
すると、スマホにインストール済みの「マイナポータル」アプリを起動するように促されるので、アプリを起動し、利用者証明用電子証明書の4桁のパスワードを入力し、スマホの上にマイナンバーカードを置いて読み取りを行います。
これで本人確認が完了し、申告書作成に進めます。
会計ソフトで作成した申告データをスマホで読み込ませる具体的な操作
本人確認後、申告書作成画面に進みます。ここで、会計ソフトと連携させる作業を行います。
画面の上の方に「申告書等データを読み込む」といったボタンがあるので、これをタップします。
事前に「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」などで作成し、スマホ内に保存しておいた申告データ(xml形式のファイル)を選択します。
すると、会計ソフトで入力した収入金額や経費、所得金額などが、申告書の各項目に自動で入力されます。
この機能のおかげで、面倒な数字の転記作業が一切不要になり、入力ミスを劇的に防ぐことができます。
最終確認と電子署名をしてスマホからデータを送信するまでの流れ
データが正しく読み込まれたら、画面をスクロールして、氏名や住所、還付される税金がある場合の振込先口座などの情報に間違いがないか、一つ一つ丁寧に確認します。
すべての内容を確認し終えたら、最後のステップである「電子署名」に進みます。
再びマイナポータルアプリが起動し、今度は署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁の英数字)の入力を求められます。
パスワードを入力してマイナンバーカードを読み取らせることで、この申告書は確かに本人が作成し、提出したものであるという証明が行われます。
署名が完了したら、最終的な「送信」ボタンをタップして、すべての手続きは完了です。お疲れ様でした!
副業の確定申告で経費にできるものとは?スマホでレシートを管理する方法
副業の所得を正しく計算し、納める税金を少しでも抑える(節税)ためには、「何が経費になるのか」を正確に知っておくことが非常に重要です。
ここでは、副業の種類ごとに経費にできるものの具体例と、どんどん増えて管理が大変になりがちなレシートをスマホで賢く管理する方法について解説します。
副業の仕事に直接関連する費用は経費として収入から差し引くことができます
経費とは、ごく簡単に言えば「その副業の収入を得るために直接必要だった費用」のことです。
これらの経費を漏れなく計上することで、課税対象となる所得金額を抑え、結果的に税金を安くすることができます。
職種の例 | 経費にできるものの例 |
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Webライター デザイナー |
パソコン購入費、インターネット通信費、取材交通費、参考文献の書籍代、有料ソフト代、打ち合わせの飲食代 |
ハンドメイド作家 | 材料の仕入れ代、発送用の梱包材や送料、作品撮影用のカメラ購入費、販売サイトの手数料 |
ブログ・アフィリエイト | サーバー代、ドメイン代、有料テーマ・プラグイン代、情報収集のための書籍代やセミナー参加費 |
自宅で仕事をしている場合は家賃や光熱費の一部も経費に計上するやり方があります
自宅を仕事場として利用している場合、プライベートな支出と思われがちな家賃や水道光熱費、インターネット通信費なども経費にすることができます。
ただし、全額ではなく、仕事で使っている割合分だけを経費とする「家事按分(かじあんぶん)」という考え方で計算します。
例えば、家賃10万円の部屋のうち、仕事で使っているスペースが全体の25%であれば、家賃の25%にあたる月額2万5千円を経費として計上できます。
どのくらいの割合にするかは、作業時間(例:1日のうち8時間仕事)や使用面積など、税務署に説明できる合理的な基準で自分で決める必要があります。
増え続けるレシートは会計ソフトのスマホアプリで撮影してデータ化するのが一番のやり方です
経費を証明するためのレシートや領収書は、意識しないとどんどん溜まっていき、確定申告の時期に山積みのレシートを前に途方に暮れることになりかねません。
そこでおすすめなのが、会計ソフトのスマホアプリに搭載されているレシート撮影機能です。
経費を使ったら、その場ですぐにスマホでレシートを撮影する習慣をつけましょう。
アプリが自動で日付や金額、店名を読み取ってデータ化してくれるため、後でまとめて入力する手間が省けます。
撮影した画像データはそのまま証拠(証憑)として保存されるため、紙のレシートを長期間保管しておく必要もなくなり、ペーパーレスでスマートな経費管理が実現できます。
副業の確定申告をしないとどうなる?20万以下でも注意すべきペナルティとは
「少額だし、バレなければ大丈夫だろう」と軽い気持ちで確定申告を怠ると、後で手痛いしっぺ返しを食らう可能性があります。
申告をしないことのリスクや、どのようなペナルティが課されるのかを正しく理解しておくことは、安心して副業を続けるために非常に重要です。
申告漏れが発覚すると本来の税金に加えてペナルティの税金が課されます
もし税務署の調査などで確定申告をしていないことが発覚した場合、本来納めるべきだった所得税に加えて、ペナルティとして追加の税金を支払わなければなりません。
主なペナルティには以下のようなものがあります。
- 無申告加算税:期限内に申告しなかったことに対する罰金。納付すべき税額に対して、最大で20%もの高い税率が課されます。
- 延滞税:納付が遅れたことに対する利息。法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課されます。
少しの税金を惜しんだ結果、かえって多額の出費につながる可能性があるのです。
悪質な所得隠しと判断された場合はさらに重い重加算税が課される可能性があります
意図的に売上を隠したり、実際にはない経費をでっち上げて計上したりするなど、申告漏れが悪質な所得隠しであると判断された場合には、「重加算税」という最も重いペナルティが課されます。
重加算税は、追加で納めることになった税額の35%または40%という非常に高い税率です。
これは脱税行為に対する厳しい罰則であり、社会的信用も失いかねません。
副業収入は、マイナンバーや取引先の支払い調書などを通じて、あなたが思っている以上に税務署に把握されやすいということを覚えておきましょう。
副業所得20万以下で確定申告をしなかった場合の住民税の申告漏れに注意
「所得20万円以下だからセーフ」と思っている方も油断は禁物です。
副業所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告を忘れてしまうと、それは立派な「申告漏れ」にあたります。
市区町村から納付すべき住民税の通知がすぐに来ないからといって安心はできません。
後日、申告漏れが発覚すれば、延滞金を含めた税額を納めるよう通知が来ることになります。
金額の大小にかかわらず、所得がある以上は納税の義務があるということを、常に意識しておくことが大切です。
来年の副業確定申告に備えて今からスマホでできること
確定申告は、申告期間が始まってから慌てて準備するものではなく、一年間の集大成として、日頃からの準備が何よりも重要になります。
来年の確定申告をさらにスムーズに、そして圧倒的に楽に行うために、今日からスマートフォンを使って始められる未来の自分を助ける習慣をご紹介します。
まずはスマホに会計ソフトのアプリを入れて日々の収支を記録する習慣をつけましょう
来年の確定申告で慌てないために最も効果的なのは、今すぐに会計ソフトのアプリをスマホにインストールし、毎日の収入と経費を記録する習慣をつけることです。
売上が発生したらその都度入力し、経費のレシートを受け取ったらその場で撮影してデータ化する。
この毎日数分の小さな積み重ねが、一年後には「やっておいてよかった!」と心から思える大きな時間的余裕を生み出します。
確定申告直前の、山のようなレシートを前に行う膨大な作業から解放されましょう。
副業用の銀行口座とクレジットカードを用意して会計ソフトと連携させるやり方がおすすめです
プライベートの支出と副業の経費が同じ銀行口座やクレジットカードで混ざってしまうと、後から帳簿をつける際に「この支払いはどっちだっけ?」と見分けるのが非常に大変になります。
そこでおすすめなのが、副業専用の銀行口座とクレジットカードを一つ作っておくことです。
そして、その口座とカードを会計ソフトと連携させます。
こうすることで、その口座やカードの利用履歴はすべて事業用の取引として自動で記録されるため、仕分けの手間が劇的に減り、経費の計上漏れも防ぐことができます。
確定申告や税金の基本について空き時間にスマホで情報収集をしておきましょう
確定申告のやり方だけでなく、税金の基本的な仕組みや、賢い節税に関する知識を少しずつ学んでおくことも大切です。
通勤時間や仕事の休憩中などの空き時間に、スマートフォンで税理士が運営しているブログや、国税庁のウェブサイト、信頼できる情報サイトなどをチェックする習慣をつけてみましょう。
知識が増えることで、より有利な申告方法を選べるようになったり、経費にできるものの範囲が正しく理解できたりと、直接的な節税メリットにつながります。
まとめ
最後に、この記事で解説してきた「副業の確定申告」に関する重要なポイントを改めて確認し、あなたの最初の一歩を後押しします。
スマホ一つで確定申告ができる便利な時代だからこそ、正しい知識を身につけ、スマートに義務を果たしていきましょう。
副業の確定申告は所得20万円がボーダーライン、スマホとマイナンバーカードがあればやり方は簡単です
会社員の方の副業では、年間の「所得」が20万円を超えるかどうかが確定申告の大きな目安です。
そして、その手続きは、マイナンバーカードとスマートフォンさえあれば、会計ソフトや国税庁のサイトを活用することで、驚くほど簡単に完結させることができます。
専門的な知識がなくても、画面の指示に従うやり方で進められるため、過度に恐れる必要は全くありません。
副業所得20万円以下でも住民税の申告は必要なので忘れないようにしましょう
確定申告が不要な「所得20万円以下」の場合でも、住民税の申告義務は残るということを絶対に忘れないでください。
これは本当に多くの人が見落としがちなポイントで、この手続きを怠ると、後から延滞金を含めた請求が来るリスクがあります。
確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村の役所のウェブサイトなどを確認し、所定のやり方に従って必ず申告を行いましょう。
日頃からスマホの会計ソフトで収支を記録する習慣が来年の確定申告を楽にします
確定申告を最も楽にする最大の秘訣は、日々の地道な記録に尽きます。
今日からスマホに会計ソフトのアプリを入れ、収入があったとき、経費を使ったときに、すぐに記録する習慣を始めてみてください。
この一手間が、一年後のあなたを助ける最大の武器となります。
この記事を参考に、ぜひスマートで簡単な確定申告の第一歩を踏み出してください。
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